月経前症候群(PMS)と食・生活習慣の関係は?ヴィーガン食がおすすめな理由を解説
女性特有のサイクルである月経の際に起こる「月経前症候群(PMS)」の主要な原因と、管理栄養士おすすめの緩和方法について解説しています。ヴィーガン食生活は、月経前症候群を解消するために有力な方法のひとつ、普段の生活習慣を見直してみませんか?
その際に多くの人が感じる不調として「月経前症候群(PMS)」があります。
月経前症候群は、普段の食・生活習慣に大きく依存していることも多くの研究で明らかになっています。
そこで今回は、月経前症候群を悪化・緩和する要因とヴィーガン食生活がおすすめな理由について解説していきます。
月経とホルモンバランスについて
月に一度訪れる月経は、以下2種類の女性ホルモンのバランスによって起こります。
・エストロゲン(卵胞ホルモン)
・プロゲステロン(黄体ホルモン)
エストロゲン:女性らしい体を作る、妊娠に備えて子宮内膜を分厚くする、自律神経を安定させる、コラーゲンの生成や骨密度の維持などの作用。
プロゲステロン:体温を上げる、食欲を増加させる、体内の水分量を増やす、気分が不安定になる、眠気を誘うなどの作用。
月経が始まると、エストロゲン分泌量が優位な状態が2週間程度続きます。
その後、プロゲステロン分泌量が優位となり、1〜2週間経つと月経が来るというサイクルになっています。
このプロゲステロン優位な状態がいわゆる月経前症候群(PMS)を招く原因であり、多くの女性が以下のような症状を呈すると言われています。
<月経前症候群の主な症状>
食欲増進、眠気、イライラ、不安、吐き気、頭痛、胸や腹部の張り、肌荒れなど
月経前症候群(PMS)を悪化させる原因
月経前症候群を誘発する詳細なメカニズムは不明な点がまだ多く、現在多くの研究が進められていますが、有力な原因として、ストレスへの感受性や神経系、卵巣ホルモン分泌が関与していると考えられています。
参考:L. Ossewaarde et al., Hum Brain Mapp., 2013
そのストレスへの感受性や神経系、ホルモンバランスは、普段の生活習慣が深く関係しています。
以下のような生活習慣は、女性ホルモンの分泌異常ないしはバランスを崩してしまうことで、PMS症状を悪化させる可能性があるので注意しましょう。
<月経前症候群(PMS)を悪化させる原因>
喫煙、運動不足、睡眠時間不足、カフェイン、アルコール、塩分、赤身肉、高脂肪・糖質食など
また、西洋食(ファストフードや清涼飲料水、加工肉)もPMSの悪化を招くことが以下の研究で明らかになっています。