米レンタル衣料のRent the Runway(レントザランウェイ)が上場へ!注目されるレンタル・中古衣料の今
最近上場申請したことで話題のRent the Runway(レント・ザ・ランウェイ)社についてご紹介しつつ、レンタルファッションのメリットを読み解いていきます。世界中でトレンドとなっているファッション業界のシェアリングエコノミーとはどのようなものか見ていきます。
同社はハイブランドのお洋服をレンタルできるサブスクリプションサービスを展開していますが、ここにきて新しい挑戦へと踏み切っています。
この記事では、気になるレント・ザ・ランウェイ社についてだけでなく、レンタルファッションのメリットについてご紹介していきます。
日本でもどんどん増えてきているレンタルファッション業界は、ますますホットなサービスに成長していきそうです。
目次
レンタルファッションの「レント・ザ・ランウェイ」がついに上場申請
レント・ザ・ランウェイ社がついに上場申請しました。ニューヨークを舞台とする大ヒットドラマ「Sex and the City(セックス・アンド・ザ・シティー)」や映画「The Devil Wears Prada(ザ・デビル・ウェーズ・プラダ)」に憧れる女性をターゲットとする、大人気のレンタルファッションサービスを展開しています。
映画の中の主人公のように「ポップでカラフルなオシャレを楽しみたい!」という女性の心を掴んでいる同社の、現時点の企業価値は7億5,000万ドルとまでいわれています。
全世界中でもトレンドとなっている洋服のサブスクリプションサービスの勢いは留まることなく、この上場を通じて、同社はますますパワーアップしていくことが予想されています。
「レント・ザ・ランウェイ」とはどんな会社?
今回上場申請を行ったレント・ザ・ランウェイ社は、どのような会社なのでしょうか。ご紹介していきます。
アメリカで大人気の有名ファッションサブスクリプション
女性CEOであるJennifer Hyman(ジェニファー・ハイマン)とJennifer Fleiss(ジェニファー・フレイス)が、2009年に設立した会社です。
お財布事情を気にせずに、映画の中のようなファッションを楽しみたい女性がたくさんいるという点に目を付け、ハイブランドのお洋服の取り扱いサービスを開始しました。
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ハイブランドを中心に、どの年代にも、どんなシーンにも合うようなラインアップを取り揃えています。
当初はレンタルサービスとして始まった同社ですが、現在では料金体系も分かりやすく毎月新しいお洋服を楽しめる「サブスクリプションサービス」を提供しています。
コロナ禍で大打撃を受けたファッションサービス
2020年、全世界でコロナが猛威を振るったことが原因で、多くの人が在宅生活を強いられるようになり、ハイブランドの服を着る回数が激減しました。その煽りを受けて、同社のサービスは一時休業まで追い込まれることとなりました。
そんな中でも、翌年2021年には見事復活し、人々の生活が外に向かって動き出す波に乗って、サービスも人気を取り戻しています。
コロナ禍において、人々の意識が「よりサステナブルな暮らし」に向けられるようになったこともあり、ここから急速に巻き返しが始まるのではと期待できます。
レンタルできるお洋服はどんどん幅を拡充中
2009年にレント・ザ・ランウェイ社が立ち上がった当初は、パーティーの時に着ていくようなデザイナードレスを主軸としていました。
ちょっとした夜のパーティーがあったり、結婚式にお呼ばれした方が、その日用のドレスを選びに来るというビジネスモデルから始まったレンタルサービス。
滅多に着るチャンスのないパーティードレスにお金をかけたくないけれど、毎回同じものを着ているというのも嫌だという女性の心を掴んだと言えるでしょう。
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そこから、少しずつラインアップを増やしていき、今では「ちょっとしたハレの日」に着るオケージョンウェアの他にも、幅広いシーンに合うお洋服を取り揃えています。
- なんてことない毎日に着る日常服
- ビジネスシーンで使いたいオフィス服
- スキーウェアなどの滅多に使わないアイテム
- 一時しか使わないマタニティ―ウェア
- ジュエリーやバッグなどの小物類
設立当初はパーティーシーンの多い20代~30代前半の女性がメインユーザーでしたが、ラインアップを拡充していったことで、現在では10代~60代と幅広い年代の女性たちから支持されています。
「レント・ザ・ランウェイ」のサブスクリプションサービスとは?
最近よく聞くようになった「サブスクリプション」ですが、具体的にどのようなものなのか、月額幾らくらいなのかなど気になるサービスの詳細をご紹介します。
プラン体形について
同社のホームページを見ると、とても分かりやすい料金体系表が載っています。借りられるアイテム数に応じて、3つの料金プランがあります。(2021年9月現在の情報です)
- 月4点借りられるプラン(月89ドル|初回69ドル):月1回配送。ベーシックアイテムのみ(日常服・オフィス服)
- 月8点借りられるプラン(月135ドル|初回99ドル):月2回配送。ベーシックアイテムに加えて、パーティーアイテムなど全ラインアップから選択可能
- 月16点借りられるプラン(月199ドル|初回149ドル):月4回配送。ベーシックアイテムに加えて、パーティーアイテムなど全ラインアップから選択可能
この中でも「月8点プラン」が一番人気だと同社ホームページにあります。月15,000円程度で8点借りられるということは、週に2つずつ新しいアイテムを取り入れられるということ!
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ちょっといい服を1着買う程度の値段で、これだけ楽しめるのであればお得ですよね!
レンタルサービスの流れ
- オンライン上で好きな服を選びます
- 発送依頼をかけると数日以内に手元に届く仕組みです
- レンタル終了期間はありません。気に入っている服は手元に残すことが可能です。
- 返却した服の数に応じて、次のお洋服の発送依頼をかけましょう
Rent the Runwayで面白いのが、本当に気に入ったアイテムがあれば、買い取ることもできるという点です。
お店で試着するだけでなく、実際に着てみて気に入ったものなので、タンスの肥やしになるなんてことはありません。
メンバー限定の割引レートが適用されるので、ハイブランドの服をお得に買うことが出来るチャンスです。
「レント・ザ・ランウェイ」が提唱するレンタルファッションのメリットは?
パーティードレスや着物などをレンタルしたことがある方はいるかもしれませんが、日常服やオフィス服までレンタルするというのは新しいトレンドです。お洋服を実際に買うのではなく、レンタルするメリットを、レント・ザ・ランウェイ社は4つ挙げています。
Fashion Freedom(自由なファッションを楽しめる)
いろいろなスタイルやテイストの服を試すことができる上、新しいデザイナーに出会ったり、今までチャレンジしたことのなかった服にも気軽に手を出してみることができるというメリットがあります。
実際に買うとなると、値段や仕様頻度などを天秤にかけてあまりチャレンジできないという方も多いはず。
レンタルであれば、気軽にポチッとオーダーして、気に入らなかったり合わなかったら返却すればいいだけなので、トレンドアイテムにも手を出しやすいです。
Forget the Price Tag(商品の値段を気にしなくていい)
レンタルファッションの大きなメリットとして、お洋服がいくらのものか気にしなくていいという点があります。
レント・ザ・ランウェイ社は特にハイブランドアイテムに注力していることもあり、普段なら手を出せないようなデザイナーアイテムを気軽に着れるという点をオススメしています。
レンタルできるラインアップの中にはには、販売価格が最大3,500ドルというアイテムも入っています。とっておきのパーティーなどに活用したい一着です。
Total Flexibility(その時に合わせて自由自在に楽しめる)
その時々によって、女性の体形は変わるものです。一度買った服のサイズが合わなくなってしまうというのは、女性であれば誰でも経験したことがあるはず。
従来の洋服を「買う」というライフスタイルだと、着れなくなった洋服がワードローブに溜まっていきました。
でも、レンタルにすればその時々に合わせて、自身の体形や好み、予算にピッタリ合うお洋服に囲まれて生活することができます。
Sustainable Foot Print(サステナブルな取り組みに繋がる)
従来のお洋服を「買う」生活を続けていると、買った服はワードローブに溜まっていき、最終的には捨てられ、ゴミとなっていきました。大量生産・大量破棄のサイクルはここで断ち切り、レンタルという極力ゴミを出さない、環境に優しい取り組みに切り替えていきませんか。
まとめ:「どんどん買う」から「どんどん借りる」に切り替わるワードローブ
お買い物やファッションが好きな方であれば、トレンドアイテムを追いかけて、どんどん新しい物を買うというのは当たり前だったはずです。
そうやって手に入れた服の中には、数回着用しただけでワードローブの隅の方に押しやられてしまうものもありました。SNSで写真をUPするようになってからは、1回限りの服だらけになったという人もいるかもしれません。
そんなファッション業界の大量生産・大量消費に待ったをかけるのが、レンタルファッション業界です。
存分にオシャレを楽しみながら、シェアリングエコノミーを回すことで、お財布にも環境に優しい仕組みとしとして、全世界で加速するレンタルファッション業界。
シーズンが変わったからとデパートへお買い物に行く時代から、オンラインで「借りる」時代が始まりつつあります。今回レント・ザ・ランウェイ社が上場申請したことは、そんな時代のトレンドをまさに示していると言えるでしょう。
日本でも徐々に広がりを見せているお洋服のサブスクリプションサービスは、今後ますます競争が加速していくことが期待されています。
どんどん加速するファッション業界のサステナブルな取り組み。ジーンズの生産を取り巻くサステイナブルアクションについてはこちらの記事でじっくりご紹介しています。是非チェックしてみてくださいね。