大豆の摂りすぎは危険?女性ホルモンバランスと1日の上限量について解説します
ヴィーガン生活を送る上で主要な食材、大豆に含まれる「イソフラボン」と女性ホルモンのバランスについて心配する人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、大豆イソフラボン、女性ホルモンの働きについて解説します。大豆以外の食材で置き換え可能なものも多くあるので、いろんな食材を満遍なく取り入れるようにしていきましょう。
そのため、食事の中心は穀類、野菜類、果物類、そして豆類になります。
その中で、多くの方が懸念しているのが「大豆製品の摂りすぎ」です。
大豆には女性ホルモン(エストロゲン)と同じような働きをするイソフラボンが豊富に含まれています。
そのため、大豆を摂りすぎると、女性の場合ホルモンバランスを乱してしまうのではないかと考えられています。
そこで、今回は大豆製品の摂りすぎと女性ホルモンの関係について取り上げていきます。
大豆について(栄養素・食品)
日本の伝統的な食材の多くに使われている大豆は、私たちにとって身近な食材ではないでしょうか。
大豆の主な栄養素は以下の通りです。
▼100gあたり
- たんぱく質(14.8g)
- 炭水化物(8.4g)
- 脂質(9.8g)
- 食物繊維(8.5g)
- レシチン、サポニン
- 大豆イソフラボン
植物性食材の中でも、たんぱく質の含有量が高く、大豆はヴィーガンの方にとって主要なたんぱく質源になっています。
▼代表的な食材
豆腐、納豆、厚揚げ、大豆ミート、豆乳、テンペ、味噌、ソイプロテインなど
参考:【動物性不使用】ヴィーガンプロテイン7選|しっかりたんぱく質補給可能
大豆イソフラボンについて
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」は、植物が作り出す化合物であるフィトケミカルの一種です。
その化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていることから、植物エストロゲンと呼ばれています。
食事から取り入れた大豆イソフラボンは、腸内細菌の作用などによって吸収されやすい形になり、腸管から吸収されます。
女性ホルモン(エストロゲン)の働き
大豆イソフラボンとよく似ていて、女性の月経バランスにとっても大切なエストロゲンの代表的な働きは、以下の通りです。
・女性らしい体つきを作る
・コラーゲン生成を助ける
・脂質代謝の改善
・骨密度の維持
・肌や髪のツヤを保つ
つまり、大豆イソフラボンにもこのような働きがあり、とても優秀な栄養素なのです。
大豆の摂りすぎによる女性ホルモンへの影響
大豆を食べすぎると、過剰な大豆イソフラボンによって女性ホルモンのバランスに影響する?という件については、いまだに多くの研究が進行中です。
国内では、農林水産省のHPに大豆イソフラボンに関する意見が掲載されています。
それによると、1日あたりの大豆イソフラボン摂取量は上限が70〜75mg/日とされています。
これは、納豆にすると2.5パック、豆乳にすると300ml、豆腐にすると375gという結果です。
しかし、この上限量は臨床実験の結果ではなく、過去の日本人の食経験で何も健康被害が報告されなかった数値により決められています。
海外では、150mg/日の大豆イソフラボンを毎日継続的に五年間使用した場合、子宮内膜症(婦人科系疾患)を発症する場合があるという研究結果が出ています。
そこで、この1/2量である70〜75mg/日が日本国内では掲げられています。
ヴィーガンの場合だと、この量を超えてしまう可能性があるので注意が必要ですが、1日たりとも超えてはいけないわけではなく、毎日の平均的なバランスをみて食事を準備してみましょう。
大豆製品以外のもので代替する工夫
大豆イソフラボンの摂りすぎを避けるために、大豆製品で取り入れていたものを他の食材に変えてみましょう。
・豆乳→オーツミルクやライスミルク
・大豆ミート→エンドウ豆やライスミート
・ソイプロテイン→ピープロテイン
まとめ
大豆イソフラボンと女性ホルモンのバランスについては、いまだに多くの研究が進行中です。
女性ホルモンのバランスが乱れてしまうと、月経不順や肌荒れなどの症状を引き起こしてしまうので十分な注意が必要です。
とはいえ、ヴィーガンの人にとって身近な食材である大豆の摂取量をいきなり減らすとなると負担がかかります。
少しづつ、変えられそうな食材から他の食材に代替してみるなど、楽しんでいろんな食材に挑戦してみてください。