ヴィーガンとは植物性の食材のみで過ごすライフスタイルのことです。
そのため、食事内容も全て植物性のもの由来であり、穀類、野菜、果物、豆類などが中心の食材となります。
加えて、調理する際に使用する油もまた、植物性のものを選んで購入します。
この時、どんな基準で調理油を選んでいますか?
今回は、栄養学的視点から調理油を選ぶ際のポイントについて管理栄養士が解説していきます。
油選びのポイントについて
植物性のもの
基本的なところですが、植物性のものを選びましょう。
その中で、注意して欲しいのが、「マーガリン」です。
マーガリンは、植物性の油であり、バターの代用品として健康に良いと言われていました。
しかし、マーガリンにはトランス脂肪酸と呼ばれる脂肪酸が含まれており、摂りすぎは血中の悪玉コレステロールを増加させる作用もあるので、避ける方が好ましいです。
参考:脂質やトランス脂肪酸が健康に与える影響(厚生労働省HP)
また、ヤシ油から作られるパーム油も、植物性油のひとつですが、環境問題や野生生物、労働環境問題などの課題のある油なため、避けられる傾向にあります。
参考:ヴィーガンがパームオイル・パーム油を避ける理由|代替品も紹介
このように、植物性の油であればいいというわけではなく、いろんな視点からより良い油を選択するのがおすすめです。
不飽和脂肪酸が豊富なもの
脂肪酸とは脂質の構成成分であり、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分けられます。
飽和脂肪酸とは、動物性の油(お肉など)に含まれる脂肪酸であり、過剰摂取は腸内環境やコレステロールなどの血中成分を悪化させる作用があるので注意が必要です。
一方で、不飽和脂肪酸は、一般的に健康に寄与する油と言われ、植物性の油や魚に豊富に含まれるものです。
基本的に植物性の油を選べば、不飽和脂肪酸を多く含んでいると考えて構いませんが、不飽和脂肪酸の中でもさらに細分化されます。
オメガ3脂肪酸が豊富なもの
不飽和脂肪酸はそこからさらに一価不飽和脂肪酸(オメガ9)と多価不飽和脂肪酸(オメガ3、オメガ6)に大別されます。
このうち、オメガ6脂肪酸は比較的多くの食品に含まれ、不足することはありません。
むしろ現代人はこのオメガ6を十分に摂取しており、過剰摂取は体内での炎症の原因になるので別の脂肪酸を含む油を選ぶ必要があります。
そこでおすすめなのがオメガ3脂肪酸を豊富に含む油です。
オメガ3脂肪酸は、抗炎症作用が認められており、血中の悪玉コレステロールを低下させる働きがあります。
参考:【医師監修】ヴィーガンでも美肌を維持するには?!おすすめの食生活
オメガ3を豊富に含む食材は、実は一般的な食事であまり手にしないものが多いです。
そのため、意識的に摂取しないと不足する可能性があるので、こちらの記事を参考に、ぜひオメガ3を豊富に含む食材を探してみてください。
参考:【保存版】ヴィーガン必見!オメガ3が多く含まれる植物性食品
瓶が色付き(褐色)
油は太陽の光で酸化されます。
そのため、光を遮断して保存する必要があり、瓶に色がついているタイプのものを選びましょう。
おすすめのヴィーガンオイル
えごま油
えごま油には、αリノレン酸(オメガ3)が約68%程度含まれています。
加熱するよりも、サラダへトッピングなどそのまま食べることをおすすめします。
アマニ油
アマニ油にも、えごま油と同様にオメガ3脂肪酸が豊富に含まれています。
加熱に弱いので、アマニ油も生の状態で食べるようにしましょう。
画像:日清
日清アマニ油 フレッシュキープボトル
小さじ1杯で、1日分のオメガ3脂肪酸を摂取することができるそうです。
また、ボトルの構造もユニークで、新鮮さを維持したまま保存できます。
商品はこちらから購入できます。
オリーブオイル
脂肪酸の中でも一価不飽和脂肪酸であるオメガ9を豊富に含むオリーブオイルも、おすすめのひとつです。
スーパーで手軽に手に入ることと、調理に用いやすく、加熱にも比較的強い油です。
CIVGIS 有機JAS オーガニック エキストラバージン オリーブオイル
有機JAS認証のオリーブオイル。
オーガニックかつエクストラヴァージンで、化学精製なども一切されていないタイプです。
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まとめ|質の良い油で健康的な体を作ろう
脂質は人間の体を作る上で欠かせない栄養素の一つです。
「油=太る」イメージを持つ人も多く、避けられる傾向にありますが、良質な油はむしろ健康的な体を作るために必要不可欠です。
また、ヴィーガンの場合は植物性の食事のみになるため、一般的に動物性食材も食べる人と比べて脂質が不足しやすくなる傾向があります。
さらに、植物性油の中でも栄養素はそれぞれ異なりますので、組成などチェックして、自分の好きな油を探して料理を楽しみましょう。