ヴィーガンがパームオイル・パーム油を避ける理由|代替品も紹介
ヴィーガンは植物性であるパームオイルを避ける?その理由を詳しく解説。代替品はあるのか?その点もご紹介します。
しかし、実は「パームオイルを避けたほうが良い理由」があることをご存知でしょうか。
既に、「聞いたことはあるけど…」という方でも、その詳細はよくわからない方も多いと思います。
そこで今回は、ヴィーガンがパームオイルを避ける理由と代替品についてご紹介します。
パームオイルとは?
パームオイルは、アブラヤシの木の実に由来する食用植物油です。
このアブラヤシからできるパームオイルには2種類あり、1つはアブラヤシの果肉を絞って作るパームオイル、もう1つはアブラヤシの種を砕いて作る核パームオイルです。
アブラヤシの木はアフリカ原産ですが、100年以上前に観賞用の樹木作物として東南アジアに持ち込まれました。
現在、インドネシアとマレーシアは世界の供給量の85%以上を占めていますが、パーム油を生産している国は他に42か国あります。
また、2005年には大豆油を抜いて、世界で最も消費されている植物油となりました。
更に2010~2030年の20年間で、世界のパーム油の生産量が約3倍に増えることが見込まれています。
(出典:一般社団法人日本植物油脂協会)
パームオイルの特徴は、汎用性の高さとコスト安にあります。また、酸化や熱にも強いため、長期保存にも適しています。
この特徴のため、特にコストパフォーマンスを重視する企業は、パームオイルを商品に使うことが多いのです。
パームオイルは、加工食品やパン、マーガリン、お菓子などの食品だけでなく、シャンプーや化粧品、洗剤などの原料にも使用されています。
原材料表をよく見ると、「パームオイル」、「核パームオイル」、「パーム油」などを見つけることができます。
それでは、何故この植物性食品であるパームオイルをヴィーガンが避けるのか、その理由をご紹介します。
パームオイルをヴィーガンが避ける理由
ヴィーガンがパームオイルを避ける理由として、以下の理由が挙がります。
- 熱帯林への影響
- 泥炭地への影響
- 森林・泥炭火災の影響
- 野生動物への影響
- 人への影響
- 生産者が抱える問題
- パーム油を使わないことで生じる問題
(引用元:WWF「パーム油の生産がもたらす7つの問題」)
以下に、主要な点をもう少し詳しく説明します。
パームオイルは、オランウータン、ピグミーゾウ、スマトラサイなど、すでに絶滅の危機に瀕している種の生息地を破壊し、世界で最も生物多様性の高い森林の森林破壊の主要な推進力であり続けています。
この森林喪失は、炭素が豊富な泥炭土壌の転換と相まって、数百万トンの温室効果ガスを大気中に放出し、気候変動の一因となっています。
また、労働者と児童労働の問題もあります。
(出典:WWF「What is the problem with palm oil?」)
パームオイルの問題点が分かったところで、以下の「ヴィーガンの定義」に照らし合わせると、何故パームオイルをヴィーガンが避ける」のかお分かり頂けると思います。
「ヴィーガン主義は、食物、衣類、またはその他の目的のために動物を虐げるあらゆる形態を可能な限り、実行可能な範囲で排除しようとする哲学および生き方です。
ひいては、動物、人間、環境の利益のために、動物を含まない代替品の開発と使用を促進します。
食事の用語では、全体的または部分的に動物に由来するすべての製品を省く慣行を意味します。」
(引用元:vegansociety「Definition of veganism」)
このため、パームオイル、パーム油自体は植物性食品であり問題ありませんが、「野生動物への影響」、「環境問題」の点から、ヴィーガンの生き方へ反するという見方があるのです。
つまり、製造・生産過程で間接的に環境や動物に悪影響を与えるという点で、問題視されており、改善する必要があるのです。
参考までに、他にもヴィーガンが避けるものとして、「ハチミツや白砂糖、トリュフ」があります。
やはり、ヴィーガンの定義に反するという共通点があるようです。
ハチミツと白砂糖に関する記事は、こちらを是非参考にしてください。
ただ、パームオイルは、非常に汎用性が高く、身近な食品に多種多様に使われているため、これらを完全に避けるのは、日常生活ではかなり難しく、代替品はあるのかも気になります。
そこで、パームオイルの代替品に関して、以下、2つに分けて次にご紹介します。
- 食品以外としてのパームオイルの代替品
- 食品としてのパームオイルの代替品