ヴィーガン・植物性ミルクを標準採用に!ブルーボトルを筆頭にアメリカで広がる動きとは
アメリカのブルーボトルコーヒーが一部店舗で、植物性ミルクへの変更を「カスタマイズ料金なし」で実施開始。植物性ミルクの選択が標準となる未来についての考察、現状の動きについて解説します。
そんな中、東京や京都にオープンしたことで人気のカリフォルニア発祥のコーヒーチェーン、Blue Bottle/ブルーボトルコーヒーが新たな取り組みを開始しました。
ブルーボトルコーヒーのアメリカの一部店舗において、植物性ミルクであるオーツミルクが標準対応(無料で変更できる)として追加されたのです。
本記事では、詳細を見ていきます。
Default to Veg(デフォルトトゥベジ)
ブルーボトルの代表は、植物性ミルクをデフォルトオプション(=標準対応)とすることは、気候変動に対応する動きであると主張しています。
「多くの人がオーツミルクを好んでいる。しかもオーツミルクは牛乳よりも温室効果ガスの排出量が少なく抑えることができる。」と述べており、ブルーボトル社のこの動きは、業界を大きく震撼させそうです。
今現在、世界中で展開されているブルーボトルの店舗100か所全てで、オーツミルクを標準対応にする計画があるかどうかについては、言及されていません。
しかしおそらくですが、近い将来には植物性ミルクのデフォルトオプションが、アメリカブルーボトル全店対応となるのではないのでしょうか。
この動きはヴィーガンライフスタイルを送るアメリカの多くの人々(ヴィーガン人口は3億人の国民の中で、3〜5%と言われ、加えてベジタリアンや週に数日だけヴィーガン生活をするフレキシタリアンの数がとても多いのがアメリカです)
そして実は、ヴィーガンオプションを標準採用にしようとしているコーヒーチェーンは他にもあるのです。
非営利団体であるBetter Food Foundation(BFF)は、プロジェクトDefault to Vegの下で、オレゴン州ポートランドに本拠を置くGuilder Cafeや他のコーヒーショップと、と協力して同様の切り替えを支援しています。
これらのショップでの植物性ミルクへのシフトは、顧客からたくさんの支持を得ているようです。
しかし、植物性ミルクが人気とはいえ、ほとんどのアメリカのコーヒーショップでは、植物性ミルクに変更する際は、追加料金が必要な現状です。
環境に配慮したメニュー
植物性ミルクの導入は、環境に対する良い側面が多くあります。
2018年のオックスフォード大学の調査によると、牛乳を植物性ミルクに置き換えると、食品の二酸化炭素排出量が約半分に削減されるということが分かっています。
前述のBFFとGuilderが協力して、植物性ミルクオプションを標準とすることが、実際の二酸化炭素排出量の節約にどのように変換されるかを追跡し、資料として公開しています。
そして、BFFは、Guilderと他コーヒーショップとの協力により、各地域での反応を見るためにオーツミルクのサプライズイベントをニューヨーク、サンフランシスコ、ワシントンDCなどの都市で開催することを計画もしているようです。
ブルーボトル以外にも、ますます多くの企業が植物性ミルクの標準化に取り組んでいることがわかりますね。
植物性ミルクに対する大手チェーンの動き
ブルーボトル以外のアメリカ大手コーヒーショップも、温暖化ガス排出削減に向けて、乳製品から植物性ベースにシフトしています。
世界最大のコーヒーチェーンのスターバックスも然り。ヴィーガンサンドイッチから植物性ミルクもメニューに加えています。しかし、植物性ミルクでカスタマイズをする時は、未だ追加料金が必要です。
温暖化ガス排出量の21%は、乳製品由来であるにもかかわらずにこの動きは、まだまだ大手は動きが遅いと言えるかもしれません。
一方で、小規模なコーヒーショップは、植物性ミルクを標準にすることにより、大手コーヒーショップとの区別化を図り、ヴィーガン、そして環境問題に意識の高いお客のニーズに応えることが期待できます。