エシカルとは?エシカル消費の正しい理解と、実践する具体的なポイント5選
世界中で幅広く取り組まれているエシカル。その基本的な概念から、日常生活でエシカル消費を実践するポイントを5つをご紹介します。ヴィーガン以外の方も必見な情報を多く掲載しています。
3.「どのように」を考える
素材が植物だからエシカルだろうと、単純に考えるのではなく、「どのように」を考えることが大切です。
白砂糖は、サトウキビから精製する過程で、畜産動物の骨を使用します。厳密にいうと、動物の骨を熱し、炭化させたものを、ろ過および脱色するために使用します。
この工程は、他の素材でも代替可能ですが、最も安く、大量に生産できる手法として多くの砂糖メーカーで採用されています。
「なにで」の項でお伝えした通り、動物由来の素材を使用することは、植物由来の素材よりも、多くの水や二酸化炭素を排出します。
サトウキビは、もちろん植物ですが、精製過程で動物由来の素材を用いるため、ヴィーガンの方は避ける方も多いです。
白砂糖に関しては、こちらの記事も参考にしてください。
白砂糖がヴィーガンではない理由と、おすすめのヴィーガン砂糖をご紹介
このように、もともとの素材が植物だから、エシカル消費できるだろうと単純に考えるのではなく、「どのように」を考えることも、エシカル消費においては非常に重要な概念です。
4.「なにで」を考える
エシカル消費を実践していくためには、それが「なにで」つくられているのかを考えるのが、実践しやすく、かつ重要です。
最近よく話題になるヴィーガン。「なにで」を考えている代表例といってもいいでしょう。
ヴィーガンは、動物由来の素材でつくられたものを消費しません。
ヴィーガンというと、食品だけを植物由来のものとしているイメージがあるかもしれません。
実は、洋服や身の回りの製品、住宅建材など、衣食住すべてにおいて、植物由来のものを生活に取り入れるようにします。
動物由来ということは、そのほとんどが家畜として飼われている動物によるもので、動物が原料になっているということ。
家畜は想像しているよりも、大量の水を使う必要があったり、飼料製造や管理のために大量の二酸化炭素を排出したりしています。
「農産物も水を大量に使ってない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。確かに、日常の生活で使う量と比較すると、大量であることには間違いないです。
しかし、例えば1kgの牛肉を生産することを考えたとき、水が約13,000リットル必要なのに対して、同じ量1kgのトウモロコシを生産するのには、約500リットルしか必要ないのです。
(出典:VOGUE, 「検証!「菜食主義が地球を救う」の5つのファクト。」)
また、エシカル消費において、環境のことを考えるのであれば、住宅をつくる素材に関しても「なにで」を考えることが大切です。
なぜかというと、日本の産業において排出される二酸化炭素量のうち、なんとその約1/5を建設業界が占めているのです(住宅・ビルの建設から、運用・解体含む)。
(出典:環境省_平成26年版 図で見る環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第2部 各分野の施策等に関する報告)
そのため、私たちがエシカル消費を実践できる範囲でいえば、内装材に動物由来の製品を用いないことや、住宅を選ぶ際、鉄骨造やRC(鉄筋コンクリート)造ではなく木造にすること、などが考えられます。
特に、後者の構造材料は、二酸化炭素排出量においても占める割合が大きく、製造過程での排出量が多いRC造は、住宅1戸あたり、木造のおよそ2.5倍の二酸化炭素を排出してしまいます。
構造的に問題ない場合には、木造を積極的に取り入れていくべきです。
(出典:地球温暖化防止への貢献|大規模木構造建築 サミットHR工法/SJ工法/HRS工法)
また、木造で住宅をつくることで、原料の木が成長する過程で、光合成で消費した二酸化炭素を、木材として封じ込めることができるため、大気中の二酸化炭素量を削減することができると考えられています。
これは、炭素固定という概念で、地球温暖化防止には重要な概念なので、興味がある方は、ご自身でも調べてみてください。