ヴィーガンは砂糖の中でも「白砂糖」を避ける場合があります。
この一般的な理由は、白砂糖の精製過程で、「骨炭(牛骨炭)」という畜産動物の骨が使われているからです。
そこで気になるのが、お菓子などの加工食品の原材料に含まれる「砂糖」です。
この砂糖とは、白砂糖を指しているのか分からずに、購入を躊躇われる場合もあるのではないでしょうか。
そこで今回は、原材料に含まれる砂糖とは「白砂糖」なのか調べ、ご紹介します。
Contents
ヴィーガンが白砂糖を避ける理由
冒頭でも述べました通り、白砂糖の精製過程で、「骨炭(牛骨炭)」という畜産動物の骨が使われているため、ヴィーガンは「白砂糖」を避ける場合があります。
「骨炭(こつたん)」とは、動物の骨を800℃以上の高温で蒸し焼きにし、完全に有機物を炭化させて作った炭のことです。
「ヴィーガン主義は、食物、衣類、またはその他の目的のために動物を虐げるあらゆる形態を可能な限り、実行可能な範囲で排除しようとする哲学および生き方です。
ひいては、動物、人間、環境の利益のために、動物を含まない代替品の開発と使用を促進します。 食事の用語では、全体的または部分的に動物に由来するすべての製品を省く慣行を意味します。」
(引用元:vegansociety「Definition of veganism」)
そのため、食事から動物由来のものを排除するだけでなく、白砂糖の精製過程など、すべてから動物由来のものを排除します。
詳しくは、「ヴィーガンが白砂糖を避ける理由」の記事も参考にしてください。
原材料に含まれる「砂糖」とは?
白砂糖は精製過程で、「骨炭(牛骨炭)」という畜産動物の骨が使われているため、ヴィーガンが避けるのはお分かり頂けたと思います。
そこで気になるのは、「原材料に含まれる砂糖は白砂糖なの?」という点だと思います。
結論から言いますと、加工食品などの原材料に「砂糖」とある場合、白砂糖が使われている可能性は高いです。
その理由として、以下が考えられます。
- 日本で最も一般的な砂糖は「白砂糖(上白糖)」であり、消費量も最も多く、食品原料として流通している砂糖の中で、最も入手しやすくコスト的にも使いやすい。
- 「てんさい糖」や「黒糖」のような、コストの高い砂糖を原材料に使用していれば、てんさい糖や黒糖と積極的に表示すると考えられる。
ただし、可能性が高いだけであり、この点に関しての明確な回答がないのも事実です。
そのため、気になる場合は、製造メーカーに直接問い合わせることをおすすめします。
原材料の「砂糖」が白砂糖の可能性は高いですが、原材料にヴィーガン向けの砂糖が表示されている場合もあります。
それでは、「ヴィーガン向けの砂糖」と「表示の仕方」などについて次にご紹介します。
原材料にヴィーガン向けの砂糖が記載されている場合
まず、ヴィーガン向けの主な砂糖として以下があります。
- てんさい糖
- 黒砂糖・黒糖
- ココナッツシュガー
- メープルシロップ・メープルシュガー
それぞれについてご紹介します。
てんさい糖
てんさい糖の原料となる甜菜(てんさい)は、北海道で栽培されています。
アブラナ科の大根と似ており、砂糖大根(サトウダイコン)とも呼ばれますが、全く別の植物です。
甜菜は寒冷地で栽培されるため、温暖な地域で栽培されるサトウキビから作られる砂糖に比べ、身体を温める作用があるとも言われています。
この「てんさい糖」が加工品に使用されている場合、原材料名に「砂糖(てんさい(国産))」などど表示されます。
余談ですが、大東製糖株式会社は、国内で初めてヴィーガン認証を取得した砂糖 「てんさいのお砂糖」を販売開始したようです。
加工助剤を含む、製造工程での動物原料の不使用、コンタミネーションに関するチェックなど、厳しい認証基準を満たした商品であるため、ヴィーガンには嬉しいニュースですね。
黒砂糖・黒糖
さとうきびを搾り煮詰め、糖みつ分の分離等の加工を行わずに、そのまま固めた製品で、固形状や粉状の黒褐色の砂糖です。
この「黒砂糖」・「黒糖」が加工品に使用されている場合、原材料名に「黒砂糖」・「黒糖」・「糖類(黒糖 沖縄県産)」などど表示されます。
表記に関する詳しい情報をご紹介します。
【日本黒砂糖協会「加工黒糖等に関するガイドライン」】
日本黒砂糖協会は「加工黒糖等に関するガイドライン」を制定していますので、一部ご紹介します。
(1)加工黒糖を使用した商品は黒糖を使用しているため、一括表示の原材料欄に記載していれば、商品名に黒糖を含む用語を表示することができる。(例:黒糖パン、黒砂糖飴等)
また、「黒糖使用」や「黒糖入り」も表示することができる。
(2)黒糖蜜は、原材料に黒糖が確実に配合されているため、加工黒糖と同様に表示することができる。
(3)加工黒糖を使用した場合、加工黒糖の原材料である黒糖の産地名を包装・容器に表示する場合は、食品表示基準第7条(特色のある原材料等の表示)の規定に基づき表示しなければならない。
(4)加工黒糖、若しくは赤糖を使用した商品での原材料表示において、加工黒糖および赤糖の複合原材料名の表示は不要である。
(引用元:日本黒砂糖協会「表示ガイドライン」)
【消費者庁食品表示課「食品表示に関するQ&A」】
より詳しく知りたい方は、消費者庁食品表示課「食品表示に関するQ&A」も是非参考にしてください。
ココナッツシュガー
ココナッツシュガーは、ココナッツの実ではなく花蜜を煮詰めて作られているため、ココナッツ特有の香りはなく、むしろ黒糖の風味に似ています。
お砂糖の代わりに、用途を問わず使用できますし、カリウムやマグネシウムといったミネラルも多く含まれたヘルシーな砂糖です。
この「ココナッツシュガー」が加工品に使用されている場合、原材料名に「ココナッツシュガー」と表示されます。
メープルシロップ・メープルシュガー
砂糖楓(かえで)というカナダと北米の一部にある楓の樹液を採取し、煮詰めたものがメープルシロップになります。
この液体のメープルシロップから水分をとばし、固体にしたものが、メープルシュガーになります。
このメープルシロップやメープルシュガーには、ミネラルやビタミンがバランスよく含まれており、香りもよい特徴があります。
お菓子を作る際、お砂糖代わりに使うと香り豊かで幸せな気分になれます。
この「メープルシロップ」・「メープルシュガー」が加工品に使用されている場合、原材料名に「メープルシロップ」・「メープルシュガー」と表示されます。
表示に関する注意点
ヴィーガン向けの砂糖として、上記の砂糖が原材料に使用されている場合は、その表示があるとお伝えしました。
しかし、例えば、原材料として、「小麦粉(国内産)、砂糖、植物油脂(なたね油)、黒糖(沖縄県産)・・・」のように、黒糖は使用されていても、その分量以上に砂糖が使用されている場合もありますので注意が必要です。
そのため、市販のお菓子などを購入する場合は、原材料をしっかりチェックして、それでも不安な場合は製造メーカーに問い合わせることをおすすめします。
厚生労働省「原材料表示をめぐる問題-表示について」によると、以下のようになります。
「食品添加物以外の原材料は、原材料に占める重量の割合の多いものから順に、その最も一般的な名称をもって記載すること。」
白砂糖は健康に悪いの?
白砂糖は精製過程で、「骨炭(牛骨炭)」という畜産動物の骨が使われているため、ヴィーガンが避ける場合が多くあります。
しかし、この白砂糖自体は健康に悪影響を及ぼすのでしょうか?
結論から言いますと、「白砂糖」も含めて、砂糖自体が健康を害する可能性はかなり低いと言えます。
例えば、「白い砂糖より茶色い三温糖の方が健康に良い」イメージがあります。
しかし、農畜産業振興機構「白い砂糖の真実、そして三温糖との関係」によると、白砂糖も三温糖も同じ精製糖であり、製造方法は同じとされます。
また、「白砂糖はミネラル分が少ない」とも言われますが、砂糖に含まれるミネラルという点から考えてみると、ミネラル分に当たる灰分の含有量は、白砂糖(上白糖)が約0.01%であるのに対し、三温糖は約0.25%ですので大差はないとも言えるかもしれません。
そのため、様々な議論がありますが、「白砂糖が三温糖に比べ健康に悪い」とは一概には言えません。
白砂糖が体に悪いという明確な科学的根拠はないようですが、過剰摂取はもちろん健康に悪いですから、ご注意ください。
まとめ
原材料の「砂糖」は、白砂糖である可能性は高いことはお分かり頂けたと思います。
そのため、気になるようであれば、「砂糖」と表示れたものは避けるか、製造メーカーに問い合わせることをおすすめします。
原材料に「砂糖」が使われていることは、意識すべきことです。ご自身で判断の上、商品・調理の選択をしてくださいね。
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