今更聞けない、サーキュラーファッションとは? なぜサステナブルなのかを解説
サステナブルやエシカルなどに続き、ファッション業界で比較的新しく登場した「サーキュラーファッション」に関して、その定義や取り入れている企業をご紹介。
その中でも、比較的新しく登場したのが「サーキュラーファッション」です。
この「サーキュラーファッション」とは、簡単に言えば、私たちの衣服や靴、アクセサリーなどが、より配慮されたモデルで生産されるシステムのことです。
今回は、「サーキュラーファッション」に関して徹底解説。その定義やサーキュラーファッションの取り組みをしている企業などをご紹介します。
エシカルに関しては、「エシカルとは?エシカル消費を実践するポイント5選」の記事を参考にしてください。
サーキュラーファッションとは?
サーキュラーファッションとは、耐久性があり、責任を持って循環するようにデザインされた衣服や靴、アクセサリーの事です。
また、サーキュラーファッションは、「循環型ファッション」とも呼ばれます。
このシステムでは、製品の素材と製造生産、販売までを慎重に検討し、製品を最後まで使用し、さらに一歩進んで別のものに再利用することの価値を強調しています。
これは、サーキュラエコノミー(循環型経済)の概念と利点に基づいています。
【サーキュラエコノミー】
サーキュラーファッションを理解するためには、サーキュラーファッションのベースとなるサーキュラエコノミー(循環型経済)の概念を理解することが重要です。
サーキュラエコノミー(循環型経済)とは、無駄を省き、資源を再利用し、廃棄物の流れをさらなる生産のための投入資材に変える経済の事です。
従来の経済システムである、調達、生産、消費、廃棄といった一方向の流れではなく、 「廃棄」されていた製品や原材料などを新たな「資源」と捉え、廃棄物を出すことなく、再利用、再生産などを通じ、資源を循環させる経済の仕組みです。
詳しくは「今更聞けない!地球に優しい、サーキュラーエコノミーとは?」を参考にしてください。
サーキュラーファッションの特徴は以下の通りです。
- リサイクル性を高めるために、個々のアイテムを生産する際に使用する材料を少なくすること。
- リサイクルできない素材や汚染物質をサプライチェーンから取り除く努力をすること。
- 衣服の端切れからパッケージに至るまで、すべてを再利用すること。
- 回収システムやリサイクル素材を新品同様の状態に戻すことを含め、可能な限り長く使用し、再利用すること。
- 避けられない廃棄物を安全に自然に還すこと。
上記の特徴があるため、サーキュラーファッションには、以下のような利点が生まれます。
- 廃棄物の削減
→埋立地や焼却地に送られる廃棄物が減少する。 - 生産時の環境負荷低減
→原材料の使用量が減り、地球資源の採取量が減る。 - 資源生産性の向上
→* Ellen MacArthur Foundation (エレン・マッカーサー財団)とMcKinsey(マッキンゼー)の共同研究によると、循環型アプローチは「2030年までに欧州の資源生産性を3%向上させ、年間6000億ユーロのコスト削減と1兆8000億ユーロの経済効果をもたらす」ことが実証されました。
* Ellen MacArthur Foundation (エレン・マッカーサー財団)・・・英国サーキュラーエコノミー推進機関。2017年5月、同財団は、「Make Fashion Circular」を繊維業界のリーダー、ブランド、イノベーター、ステークホルダーの間で、サーキュラーエコノミーに向けたコラボレーションを促進する目的で立ち上げた。