しかし、家事や仕事に追われるなかでストレスを感じるシーンも少なくないでしょう。
過度なストレスは、心身のバランスを崩す原因となります。
その結果、体調とメンタルの両面において、さまざまな不調を引き起こしかねません。
そこでこの記事では、メンタルヘルスケアに効果を発揮する食事について、詳しく解説します。
心身の不調に悩んでいる方は、食生活の内容を見直してみませんか。
目次
メンタルヘルスとは
「メンタルヘルス」という言葉を聞いたことのある方も、多いのではないでしょうか。
メンタルヘルスとは、心の健康状態を指します。
日常生活でストレスを感じる経験は、誰しも起こり得るものです。
しかし、気分の落ち込んだ状態が続いてしまうと、心身に悪影響を及ぼすかもしれません。
特に、心の不調は周囲から理解されなかったり、回復に時間がかかったりします。
メンタルヘルスを良好に保つことが、健康的な生活を実現するカギだといえるでしょう。
(参考先:メンタルヘルスとは)
一方で、心と身体、どちらも健康な状態を「ウェルネス」といいます。
ウェルネスの詳細については、ぜひこちらの記事をご覧ください。
ヴィーガンのメンタルヘルスガイド
ヴィーガンとメンタルヘルスの関係性
ヴィーガンであることは、メンタルヘルスにどのような影響を与えるのでしょうか?
ヴィーガンの食生活では、肉や魚、卵・乳製品など動物由来の食材を避けます。
そのため、プラントベースの食事が中心となり、栄養不足に陥りかねないというイメージを持たれがちです。
実際に、動物性食材に多く含まれる栄養素が不足する可能性は十分考えられます。
しかし、ヴィーガンでも必要な栄養素をきっちり摂取できれば、健康的な生活を送ることが可能です。
ヴィーガンの方にとって足りない栄養素とは何なのか、またどうやって補えばいいのか、正しく理解しておきましょう。
ヴィーガンのメンタルヘルスで注意すべきポイント
先述のように、ヴィーガンの方には特定の栄養素が不足しやすいというリスクがあります。
そこで、ヴィーガンの食生活を実践する際には、以下のポイントに注意するようにしてください。
- 野菜や穀類、果物など幅広い種類のプラントベースフードを食べる
- 食事で補いきれない栄養素は、サプリで摂取する
栄養バランスの取れた食事を心がけるとともに、必要に応じてサプリも活用しましょう。
また、腸の健康を促進する栄養素を取り入れれば気分が向上しやすくなるため、メンタルヘルス対策に繋がります。
ヴィーガンの食事で心身の調子を整え、ウェルネスな暮らしを実現したいですね。
こちらの記事では、ヴィーガンが摂取したい栄養素についてより詳しく解説しています。
気分を良くする栄養素を摂取しよう
プラントベースの食生活において、メンタルヘルスを良好に保つにはどのような栄養素を摂取すればいいのでしょうか?
ここからは、気分を良くする栄養素とその摂取方法についてみていきます。
トリプトファン
トリプトファンは必須アミノ酸のひとつであり、セロトニンの分泌を促します。
セロトニンとは、自律神経のバランスを調整する神経伝達物質のこと。
このセロトニンが増えるほど、メンタルも安定しやすくなります。
ただし、セロトニンの材料となるトリプトファンは体内で生成できないため、食事から摂取しなければなりません。
トリプトファンを多く含む植物性食材は、以下の通りです。
- 大豆製品(豆腐、納豆、味噌、しょうゆなど)
- 穀類
- ナッツ類
- バナナ
- ごま
トリプトファンは肉や魚、卵・乳製品といった動物性食品にも多く含まれていますが、プラントベースフードからしっかり摂取できるといえます。
(参考先:「トリプトファン」を摂って、しあわせホルモン「セロトニン」を増やそう! | 山梨県厚生連健康管理センター)
トリプトファンをはじめとする9種類の必須アミノ酸が全て含まれているたんぱく質は、「完全たんぱく質」と呼ばれます。
こちらの記事では、完全たんぱく質を含むプラントベースフードを紹介していますよ。
ビタミンB12
ビタミンB12は水溶性ビタミンの一種で、体の神経系機能や睡眠に関するホルモンの分泌に働きかける栄養素です。
ビタミンB12が不足すると疲れやすくなったり、睡眠の質が悪くなったりする恐れがあります。
また、ビタミンB12は動物性食品に豊富に含まれており、ヴィーガンの食事では摂取しづらいといえるでしょう。
そのため、ヴィーガンの方はサプリでビタミンB12を取り入れるように意識してください。
ビタミンB12が含まれる食品については、こちらの記事でチェックできます。
ビタミンB6
ビタミンB6はたんぱく質の代謝を助け、免疫力を高める効果があると考えられています。
また、セロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の合成を促進する働きもあります。
つまり心身の健康を維持するにあたって、ビタミンB6は重要な栄養素なんです。
下記のようなプラントベースフードは、ビタミンB6を多く含んでいます。
- 穀類
- 豆類
- ブロッコリー
- バナナ
また、ビタミンB6はサプリで摂取する方法もおすすめです。
自分の生活スタイルに合わせて、適切にビタミンを補いましょう。
(参考先:ビタミンB6 | 成分情報 | わかさの秘密)
抗酸化物質
抗酸化物質とは、活性酸素の発生や働きを抑える物質です。
体内で生成されるもの以外に、ポリフェノールとカロテノイドが挙げられます。
また、抗酸化物質にはセロトニンやドーパミンの分解を防ぎ、うつ病のリスクを下げる効果も期待できます。
野菜から果物まで、抗酸化物質を含むプラントベースフードは多いので、ヴィーガンの食事に取り入れやすいのではないでしょうか。
- ブロッコリー、にんじん、トマト
- 豆類
- そば
- カカオ
- ブルーベリー
- 緑茶、紅茶
(参考先:抗酸化物質 | e-ヘルスネット(厚生労働省))
抗酸化物質についてもっと知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は多価不飽和脂肪酸で、魚や植物の油に多く含まれています。
また、体内で生成できない成分のため、必須脂肪酸として食事から摂取しなければなりません。
オメガ3脂肪酸には血流の改善や生活習慣病の予防といった効果が期待され、健康維持に欠かせない栄養素です。
さらに、脳や神経の機能を活性化させるともいわれています。
心身を健やかに保つには、オメガ3脂肪酸を含む食品を取り入れましょう。
- いわし、鯖
- えごま油
- アマニオイル
魚を食べないヴィーガンの場合、オメガ3脂肪酸をサプリで補うのも有効な手段です。
ヴィーガン対応のサプリについては、こちらの記事を参照ください。
(参考先:ω(オメガ)-3 | 成分情報 | わかさの秘密)
プロバイオティクス・プレバイオティクス
実は、腸の状態が心身の調子に大きく関わってくることをご存知でしょうか?
こちらの記事で解説しているように、腸は「第二の脳」とも呼ばれ、セロトニンを生成する働きを持っています。
腸内環境が健やかになればセロトニンの生成量も増え、メンタルケアに繋がるでしょう。
腸内環境を改善するには、腸に優しい栄養素を摂ることが大切です。
例えば、プロバイオティクスやプレバイオティクスには、腸内フローラを整える作用が期待できます。
プロバイオティクスとは、発酵食品に多く含まれる微生物です。
ヨーグルトや乳酸菌飲料、キムチを食べるようにしましょう。
また、プレバイオティクスの一種であるオリゴ糖は、大豆やバナナなどに多く含まれています。
ヴィーガンの方は、野菜や果物、豆類から積極的に摂取してくださいね。
(参考先:プロバイオティクス | 健康用語の基礎知識 | ヤクルト中央研究所
プレバイオティクス | 健康用語の基礎知識 | ヤクルト中央研究所)
まとめ
メンタルヘルスは心の健康状態を示すものであり、不調に陥ると日常生活にも支障をきたしかねません。
食生活を見直し、気分を良くする栄養素を摂取することで、充実した毎日を送れるでしょう。
また、動物性食品を避けるヴィーガンは、プラントベースの食事によって気分を良くする栄養素を摂る必要があります。
今回紹介した栄養素を含む食材で料理したり、サプリを服用したりと、日頃から工夫してメンタルヘルスケアに取り組んでみましょう。
(参考記事:Which Nutrients Can Improve Mood? A Plant-Based Guide To Mental Health)
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