市場は急成長中!三人に一人がプラントベースミルクを楽しむイギリス
最近のレポートによると「ヴィーガン先進国のイギリス」では、三人に一人が植物性ミルクを楽しんでいるという圧倒的な定着率を見せています。イギリスにおけるプラントベースミルク市場について、最新レポートからご報告します。
普通のスーパーに行っても、見かけるようになって、以前と比べると買いやすくなったなと感じている方も多いのではないでしょうか。
世界中で少しずつ植物性へのシフトが進みつつあるミルク市場ですが、最近のレポートによると「ヴィーガン先進国のイギリス」では、圧倒的な定着率を見せています。
イギリスにおけるプラントベースミルク市場について、最新レポートからご報告します。
目次
プラントベース先進国のイギリスにおける植物性ミルク浸透率
世界各国において少しずつプラントベースな食生活を取り入れている人が増えてきていますが、その中でもイギリスは圧倒的に進んでいます。
レストランやスーパーに行って、ベジタリアン・ヴィーガン対応の商品があるのは当たり前となっている国。
そんなイギリスで、プラントベースミルクはどれくらいの人に好まれているのでしょうか。
3人に一人がプラントベースミルクを楽しんでいる
なんと、イギリスにおいては三人に一人がプラントベースミルクを楽しんでいるという調査結果が出ています。
リサーチ会社であるMintel(ミンテル)社が2021年に行った調査ですが、前年の2020年は25%だった数字が、2021年には32%まで上がっています。
これは4人に一人から、三人に一人まで数字が上がったことを意味しています。
参考:Sales of oat milk overtake almond in the UK
25~44歳だとほぼ二人に一人が植物性ミルクを好んでいる
同じ調査結果によると、この「三人に一人」というのは全カテゴリーで平均した場合であり、25~44歳のカテゴリーに絞ると44%という数字が出ています。
ほぼ二人に一人が、積極的にプラントベースミルクを飲んでいるというのは、少し驚きの数字ではないでしょうか。
プラントベースミルクを好む傾向は、年齢が低ければ低いほどに如実に出ています。
一方で65歳以上のカテゴリーでは、従来の牛乳を好む傾向もみられています。今まで牛乳を飲み続けてきた世代は、まだプラントベースへの切り替えに対して腰が重いということでしょう。
イギリスにおいて人気なのはオーツミルク
プラントベースミルクと一言でいっても、今ではたくさんの種類の植物性ミルクが販売されています。
その中でもイギリスにおいて1番人気なのはオーツ麦から作られている、オーツミルクです。
追って、アーモンドミルクが人気と、同調査によると出ています。
日本人にとっては、昔から豆乳は手軽に買うことのできる植物性ミルクとあって、比較的人気が高いです。
一方オーツミルクやアーモンドミルクは比較的新しいアイテムのため、まだ浸透していないかもしれません。
この辺りも、国ごとに文化的背景や好みの差が出てきて興味深いですよね。
植物性ミルクを提供する学校も増えてきている
実は2022年の中頃において、学校給食におけるミルクをプラントベースに切り替えるキャンペーンがヨーロッパ各国で行われいたのをご存知でしょうか。
給食のたびに牛乳を飲むことで、おなかが弱い子は苦しんでいるというケースは日本でもよく話題になりますよね。
自動的に牛乳を出すのではなく、選べるようにしたいという保護者の声がヨーロッパでは広がっていました。
また、このキャンペーンによって「子ども世代でも環境問題対策に取り組める」というメリットも提唱されていて、多くの学校において給食の切り替えが検討されています。
そんなキャンペーンについては、こちらの記事で詳しくご紹介しているので、合わせてご覧ください。
プラントベースミルクが好まれるワケとは?
イギリスのみならず、全世界でプラントベースミルクが急速に浸透しています。
多くの人にプラントベースミルクが受け入れられ、日常生活の一部になっている理由とは、どのようなものがあるのでしょうか。
健康のために牛乳から切り替える人が多くいる
日本でもそうですが、子どもの頃から給食で牛乳を飲むのが当たり前だったという人は沢山います。
なぜか「健康に良い」という理由で給食の定番になっている牛乳。でも、本当に体に優しいのでしょうか。
実は世界において約6,7割の人が、牛乳の中の成分であるラクトースを体内で分解できないという報告があります。
飲んだ後におなかがゴロゴロしたり、ガスがたまったりする経験がある方は、この「乳糖不耐症」に当てはまるかもしれません。
体に良いからと飲んでいたものが、実はそうでもないのかもしれない…と気付いて、毎日のコーヒーに入れるミルクを植物性に切り替えてみたら、おなかのトラブルが減ったという人も沢山います。
環境のためにも植物性に切り替える人も
同調査において2020年の新型コロナウィルスの蔓延によって、自分の健康だけでなく、環境問題へ意識が行くようになったというコメントも出ています。
パンデミックを受けて、プラントベースフードやプラントベースドリンクの方が良いのでは?と考えるようになった人は、調査した中で26%もの人に上っています。
イギリスにおいて四人に一人が「もっと環境問題に目を向けたい」と考えて、プラントベースフードに興味を持つようになったということです。
植物性ミルクのオプションが続々と増えている
プラントベースフード・ドリンク市場が急速に広がっている昨今。多くの企業が積極的にプラントベース対応に乗り出していて、プラントベースミルクの種類も沢山増えています。
- 豆乳
- ココナッツミルク
- オーツミルク
- ヘンプミルク
- ライスミルク
- ピー(黄エンドウ)ミルク
- アーモンドミルク など
書き出してみるとあまりにも沢山種類があって驚きます。
このように、素材だけでもバリエーションは豊富で、スーパーに行くと様々な種類から選ぶことができます。
プラントベースミルクの選択肢が限られていた頃は「体に良いから、味は微妙だけどこれを飲んでいる」という選び方をしていた人も多くいました。
でも、今では選択肢が沢山あるので「これが美味しいから選んでいる」とポジティブにプラントベースミルクを楽しめるようになりました。楽しめるという、プラントベースミルクに手を出す人が増えてきている背景と言えるでしょう。
最近ではじゃがいもからできている「ポテトミルク」も話題になっています。こちらの記事でご紹介しています。
まとめ:プラントベース先進国のイギリスでは植物性ミルクが当たり前に!
アメリカやヨーロッパなどで着々と進んでいるプラントベースフードへの切り替え。
その中でもイギリスは圧倒的に「プラントベース先進国」と言えるほどの、定着率を誇っています。
そんなイギリスにおいて、三人に一人の人がプラントベースミルクを楽しんでいるというレポートが発表されました。
新型コロナウィルスのパンデミックを受けて、自分自身の健康維持や環境問題への意識が行くようになったことも追い風となっています。
それに合わせるように、スーパーに並ぶプラントベースミルクの種類もどんどん増えています。
選択肢が増えたことで、より多くの人の好みに対応できるようになり、さらに加速するプラントベースミルク市場。
これからの成長ぶりも楽しみです。