皮・芯・種を活用してゴミを減らそう!意外と知らない野菜の可食部12選
食べられるのに捨てがちな野菜の可食部をご紹介。皮・芯・種など廃棄している部分にも、豊富な栄養があります。
その廃棄してしまいがちな部分にも、食べられる部分、すなわち可食部(かしょくぶ)はたくさんあります。
意外と知らない野菜の可食部をご紹介しますので、可食部を増やして野菜を有効活用しましょう。
今回は、ついつい捨ててしまいがちな野菜の可食部を12選、ご紹介します。
野菜の可食部を有効活用するメリット
土がついていたり、なんだか見た目や食感が悪かったりと、ついつい捨ててしまいがちな皮や芯といった部分。
実は積極的に取り入れるべき理由・メリットもあるんです。それらをご紹介します。
廃棄している野菜の部分にも、栄養が豊富
捨てがちな野菜の部位のひとつが皮。皮は外側にあるため、太陽を浴びて光合成を行うことで栄養を作りやすいゆえ、実は皮の栄養価は高いのです。
他にも、食物繊維やタンパク質など、それぞれの野菜がもつ栄養成分が、野菜のいたるところに含まれています。
また、廃棄しがちな部位ならではの栄養素や旨みも存在します。食感が悪いからと、捨てている野菜の可食部は、調理法により食べやすくすることができますよ。
皮まで食べたほうが身体に良い、風邪を引かないなどと、ご両親・祖父母から聞いたという方も多いのではないでしょうか。
昔から信じられていたことは、ちゃんとした理由があったのですね。
野菜の可食部を増やすことで、栄養摂取量が増え、食生活の向上や健康にもつながるでしょう。
固い部分や舌触りが悪い部分は、みじん切りしたり、千切りしたり、おろしたり、加熱処理をすることで、食べやすくなります。
おすすめは、部位ごとに調理法を分けること。野菜の皮、芯などをそのまま使ってつくる出汁は、旨みがあって美味しいものです。
ただし、すべての野菜の皮や種などが食べられるわけではありません。例えば、モロヘイヤの種は猛毒です。なんでもすべて食べても大丈夫、というわけではないので、この点だけは注意しましょう。
野菜の廃棄量を減らせば、ごみ減量にも貢献
ごみ処理により生じる問題はさまざまです。
焼却にコストがかかるうえ、埋立地の不足、ごみを燃やすことによりCO2排出量が増えて地球温暖化につながるなど、ごみが増えるほどデメリットは多くなります。
また、生ごみが減れば、ごみの臭いを抑えることになり、ごみ出しもラク。
野菜の可食部を増やせば当然ごみは少なくなり、暮らしもしやすく、地球の環境保護にも貢献できますね。
フードロス(食べられるのに廃棄されてしまう食べ物)について、詳しくまとめた記事もありますので、参考にしてください。
食品・フードロスを減らすアクション7選|エシカルな取り組みを実践しよう
ついつい捨ててしまいがちな野菜の可食部12選
それでは、野菜ごとに廃棄しがちな野菜の可食部をご紹介します。
1. 人参 / 皮
皮にこそ豊かな栄養がある野菜がありますが、人参もそのひとつです。
人参の皮は、より多くのβ-カロテンを含有。β-カロテンは抗酸化作用があり、免疫力を高めます。
人参の皮を揚げて塩をふれば、人参の皮チップのできあがり。
皮ごとすりおろして人参クッキーの材料や、皮ごとみじん切りにして、ドライカレーに入れるのもよいでしょう。
2. じゃがいも / 皮
じゃがいもの皮には、貧血を予防する鉄分と、骨量の維持に大切なカルシウムが豊富。
また、いも類の皮には、加熱により流れやすい栄養成分を止める働きもあるそうです。
ただし、緑色に変色している皮、毒素をもつ芽がある部分の皮は取り除いてください。
じゃがいもの皮は、きんぴらや味噌汁の具材などに使えます。
皮で作るポテトチップスもよいですね。
3. レンコン / 皮
レンコンの皮には、ポリフェノールやビタミンCが多く含まれていて、どちらの成分も抗酸化作用の効果があります。
レンコンは、加熱料理なら炒めものがおすすめです。
揚げてレンコンチップスにしたり、すりおろして味噌汁に入れたりするのもよいでしょう。
4. 大根 / 皮・茎
大根は、皮をむいたものより皮つきのほうが、栄養成分が豊富。
カルシウム、ビタミンC,貧血をふせぐ葉酸が多く含まれています。
皮ごと用いた大根おろしは、違和感をもたずに味わえます。
大根を皮ごと厚くむいて、千切りにして、きんぴらにするのもおすすめです。
大根の茎や葉も、もちろん食べられます。
油揚げとの炒めものや、細かく刻んだものを、ちりめんじゃこと炒めてふりかけに。
茎を湯がいてカットして冷凍しておけば、味噌汁の具材として重宝します。
5. ブロッコリー / 茎
ブロッコリーで一般的に食べられているのは、つぼみの部分。
ブロッコリーの茎は、つぼみよりビタミンCとβ-カロテンが多く、ほのかな甘みがあります。
茎は、下の固いところを切り、外側の固いところをピーラーで取ればよいでしょう。
水溶性のビタミンCは、ゆでると栄養素が減るので、蒸すのがおすすめです。きんぴらのような炒めものや、温野菜サラダなどよいでしょう。
6. キャベツ / 芯(茎)・外葉
キャベツの芯(茎)は、カルシウム、塩分のとり過ぎを調整するカリウムが多いです。
骨や歯の形成成分となるリン、ビタミンCもあり、甘みも感じます。
キャベツの芯(茎)は、野菜炒めや、カレーやスープなどで煮込むとよいですね。
ただし、芯(茎)の煮すぎは臭みがでるので、火をとおす加減に注意しましょう。
また、キャベツの外葉は色も濃く、β-カロテンやビタミンCも多いです。
外葉のシャキシャキとした食感をいかした料理、炒めものは向いています。
ただし、煮ものは特有のにおいが出てくるので、避けましょう。
キャベツは、部位により味や食感が異なるので、部位ごとに調理法をかえるのは、おすすめです。
7. 玉ねぎ / 皮・芯
玉ねぎの皮には、ケルセチンが豊富。ケルセチンは抗酸化作用が強いポリフェノールの一種です。
玉ねぎの皮で、だしを作れば、スープや味噌汁に使えます。
玉ねぎの皮だけで作る玉ねぎ皮茶は、健康茶として、いろいろなサイトで作り方がでています。
玉ねぎの芯もふつうに食べられる部分です。
ただし、変色や汁が出ているなど傷みが見られた場合は、取り除きましょう。
8. ほうれんそう草 / 根元・茎
ほうれん草の根元のピンク色の部分は、鉄分や、骨の形成にかかわるマンガンが含まれていて、甘みもあります。
ほうれん草の根元はゆでたあと、塩・胡椒または醤油などで味付けして、おつまみに。
もやしと合わせてナムルサラダもよいでしょう。
9. かぼちゃ / 種・ワタ
かぼちゃのは種は、強い抗酸化作用のあるビタミンEに、ビタミンB1、B2、さらに、人の体内で作ることができないリノール酸が含まれています。ワタには豊富なβ-カロテンが含有。
種とワタは、実や皮より便秘を予防する食物繊維も多く、栄養素が豊かです。
かぼちゃの種の外皮は、取り除いてから調理します(外皮の取り方は、いろいろなサイトを参考)。
(参考:パンダワンタン クッキング【マカロンレシピ / 電子レンジレシピ】 | かぼちゃの種の食べ方 How To Eat Pumpkin Seeds【パンダワンタン】)
種をローストして、塩やカレー粉などで味付けすれば、おつまみに。
かぼちゃサラダに種を入れれば、食感を楽しめる副菜になります。
かぼちゃのワタは、ケーキや玉子焼きに使いやすい食材です。
ワタと実をいっしょにミキサーにかけて、スープやスムージーとして味わうのもよいでしょう。
10. ピーマン / 種・ワタ
ピーマンのワタと種は、皮よりピラジンが豊富。香り成分であるピラジンは、血流を促す作用があります。さらに、カリウムも多めです。
比較的やわらかなピーマンのワタと種は、丸ごと調理がしやすい食材。
とくに、肉詰めは違和感がなく食べられます。
なお、ピーマンの苦味や青くささを軽減するには、縦切りするのがポイントです。
11. ゴーヤ / 種・ワタ
ゴーヤのワタには、ビタミンCが多く、種には、脂肪を燃焼する働きがある共役リノール酸が多いです。
何より、種とワタには、ゴーヤ特有の苦味はほぼありません。
ゴーヤのワタと種だけ、またはゴーヤ丸ごと使って、いろいろな料理ができます。
ワタのやわらかい食感をいかしたスープや、素揚げして塩をまぶしてもよいでしょう。
さらに、ゴーヤは天日干しすれば、栄養価がアップし、苦味もやわらぎます。
12. とうもろこし / ひげ
とうもろこしのひげは、カリウムが多く、漢方では生薬として使用。
ほんのりとした甘みをもち、天日干しで乾燥させると、甘みがさらに増えます。
とうもろこしのひげは、変色しているところは取り除き、スープやサラダの具材や、素揚げにしてもよいでしょう。
健康茶でもある、とうもろこしのひげ茶の作り方は、いろいろなサイトで確認できます。
(参考:健康&美しさ | おおどろき!とうもろこしのひげ♪膀胱 炎☆腎臓 に 良い 食べ物)
まとめ
皮・芯・種など意外と多い野菜の可食部。
調理法しだいでは、捨てがちな可食部でおいしい料理を作れるばかりでなく、栄養がとれ、ごみの減量、ひいては地球環境の保護に役立ちます。
廃棄しがちな野菜の可食部を増やして、ヴィーガン生活をより豊かにしましょう。