異常気象による畜産業への影響、畜産業に終止符を打つのは気候変動か
家畜が環境破壊の一因になっている反面、気候変動が畜産業の存続を脅かしています。今回は、家畜と環境について、一緒に考えてみませんか?
今後、畜産業と地球環境は、どうなっていくのか?
世界における、環境問題への取り組みは、さまざまな方面からアプローチされています。
畜産と、環境問題に関しても同様です。
取り組むべき課題
国連機関のIPCC(気候変動における政府間パネル)では、2022年4月の報告書において、「2030年までにメタンガスを33%削減しなければならない」と明記しています。
オックスフォード大学の調査報告によれば、世界における温室効果ガス排出量の約60%が、食肉および乳製品産業由来であるとのことです。
気候学者であるジョセフ・プーアは、その報告の中で、「人間が、動物性食品をやめると、二酸化炭素排出量は73%削減できる」とも述べています。
脱・動物性食品と、代替食品の研究開発
「動物食品を食べない」
これは、ただ単に動物性食品を口にしないことを指すのではありません。
お肉が大好きだけれど、環境のために食べることをやめる方も、今後増えていくでしょう。
アレルギーを持っていて、お肉を食べられなかったり、乳製品を諦める方もいらっしゃいます。
ひと口に、「動物性のものを食べない」といっても、その事情は人それぞれです。
そのようななかでも、食事を楽しめるよう、食品業界では、ヴィーガンフードに力を注いでいます。
日本では、ソイミートなどの代替肉や、培養肉が、身近なところでしょうか。
世界的に見れば、魚やミルク、卵においても、新しい代替食品が、次々と登場しています。
ハッピーキヌアヴィーガンメディアでは、力を入れて解説記事をご紹介しています。
ヴィーガンミルクに関しては、こちらの記事が詳しいです。
3Dプリンターで作られる食品の解説はこちらからどうぞ。
代替シーフードに関する解説記事は、こちらから読めます。
また、培養肉、代替乳においては、イスラエルの最先端のフードテックが興味深いですよ。
参考:Veg News
まとめ
地球上で生きていくためには、存在するすべての動植物と、いいバランスで共存することが大切です。
気候変動が、畜産業を衰退へ導いてしまう可能性は、今のままでは止められません。
また、逆に、畜産業を発展させることが、環境破壊に加担していることも、事実です。
そしてそれは、人間も、動物たちも、望んだ形でないことは、明らかです。
肉や乳製品、卵など、家畜と言われる動物に頼っている食べ物は、たくさんあります。
しかし、それらは、わざわざ命を奪ってまで、食べなくては補給できない栄養なのでしょうか?
21世紀を迎えて久しい現在。
私たち人間の知識や技術は、どんどん進化し続けています。
野菜も、バイオテクノロジーにより、土がなくても栽培できることが定着してきました。
技術は、人のため、世界のために使うものです。
地球にも動物にもやさしい環境を取り戻すため、畜産業においても、転換期に差し掛かっているのかもしれません。