【管理栄養士監修】ヴィーガンの方が不足しやすいビタミンを詳しく解説!
ヴィーガン食生活で不足しやすい栄養素のうち、ビタミンD、ビタミンB2、ビタミンB12について解説しています。1日の摂取量、主な働きやおすすめの食材、生活習慣についてもご紹介しています。
ヴィーガンで不足しやすいビタミン
ビタミンD
脂溶性ビタミンの一種であるビタミンDは、大きく2種類に分けられます。
・ビタミンD2:主に植物性食品に含まれる
・ビタミンD3:主に動物性食品や、人の皮膚に存在する
一般的にビタミンD2よりもビタミンD3の方が強く働くと言われています。
■1日の摂取目安量
成人男性…8.5μg
成人女性…8.5μg
■主な働き
・カルシウムおよびリンの吸収促進
食事から摂取したビタミンDは、腎臓にて活性型ビタミンDとなり、腸管からのカルシウムおよびリンの吸収を促進し、骨の形成を手伝います。
・血中カルシウム濃度の維持
ビタミンDは血中のカルシウム濃度を一定に保ち、正常な神経活動や筋肉収縮に必要となります。
・免疫機能の調節
ビタミンDは、私たちがもつ免疫システムの促進/抑制など調節をしています。
参考:Vitamin D and the Immune System, J. Investig. Med., 2011, 59(6): 881–886.
不足してしまうと、骨や歯がもろくなってしまう他に、神経障害や免疫力の低下を招く場合があります。
■おすすめのビタミンD摂取の工夫法
・キノコ類(椎茸、マッシュルーム)、日光を浴びる
ビタミンDは日光を浴びることで皮膚上に生成されます。
日焼け止めや長袖を着ている場合、ビタミンDは生成されません。
1日のうち15〜30分程度でいいので、外を歩く習慣をつけることがいいでしょう。
ビタミンB2
水溶性ビタミンであるビタミンB2は別名リボフラビンと呼ばれるビタミンB群の一種です。
ヴィーガンの方でも、加工食品や外食、油っぽい食事ばかりが続くと、ビタミンB2が不足してしまう可能性があります。
■1日の摂取推奨量
成人男性…1.3〜1.6mg
成人女性…1.0〜1.4mg
■主な働き
・エネルギー代謝を助ける
ビタミンB2は、体内で三大栄養素を代謝する酵素の補酵素として働きます。
そのため、効率の良いエネルギー生産に必須の栄養素です。
・脂質の正常な代謝
ビタミンB2は正常に脂質をエネルギーに変換します。
そのため、ビタミンB2が不足してしまうと口内炎や脂漏性皮膚炎などを招く可能性があります。
■おすすめのビタミンB2食材
・緑黄色野菜(ブロッコリー、ほうれん草、ケールなど)、アスパラガス、ナッツ類、リンゴ、アボカドなど
ビタミンB12
ビタミン類の中でも、最もヴィーガン食で不足が懸念されるのがビタミンB12です。
ビタミンB12は動物性食材に豊富に含まれ、植物性食材にはほとんど含まれません。
もともとは微生物が作り出したものであり、土壌中に存在するビタミンB12を動物が食べ、体内で蓄積されたという説が有力です。
■1日の摂取推奨量
成人男性…2.4μg
成人女性…2.4μg
■主な働き
・赤血球の合成
私たち生物の血液中に含まれる赤血球の正常な合成に、ビタミンB12は必須です。
・DNAの合成
遺伝子情報をつかさどるDNA(核酸)の正常な合成に、ビタミンB12が利用されます。
これらのことより、ビタミンB12が欠乏すると「巨赤芽球性貧血」と呼ばれる貧血を招く可能性があり、注意が必要です。
■おすすめのビタミンB12摂取の工夫法
・ニュートリショナルイースト、サプリメントの使用
市販のニュートリショナルイーストは、製造元によってビタミンB12の含有量が違うため、表示を見て必要量を確認しましょう。
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また、ビタミンB12は水溶性ビタミンであるため、過剰症の心配はありません。
そこで、サプリメントの使用もビタミンB12不足を予防する手段の一つです。
⇒【ヴィーガン対応】ビタミンB12が含まれる食品一覧【疲れが取れる】
まとめ | 健康な体づくりのために
ヴィーガン食生活を続ける上で、どうしても不足しやすい栄養素は意識的に食材選びや工夫をする必要があります。
今回紹介した3種のビタミンは、どれも欠かすことのできない重要な栄養素です。
健康的な身体づくりのために、食材や生活習慣、必要に応じてサプリメントを摂取するなどしてみましょう。
また、こちらのヴィーガン初心者の方に知って欲しい、不足しやすい栄養素について解説しています。