話題のプラントベースダイエットとは?健康に痩せる理由と効果を徹底解説
世界中で話題のプラントベースダイエットに関して徹底解説。どのような食事法なのか、そのメリットや取り入れることで痩せる可能性もある理由、実践するための方法もご紹介します。
プラントベースダイエット実践のメリット
1. 痩せる可能性が高い
脂肪分の多い動物性食材の摂取を控えることで、食事を低カロリーにすることができますので、痩せられる可能性はかなり高いと言えるでしょう。
ただし、「痩せる」と言い切っていないのは、科学的に証明されたわけではないためです。
イギリス・ドイツの学術出版社であるSpringer Natureに掲載された、ハーバード公衆衛生大学院の「ベジタリアン食と体重減少」に関する研究によると、「ベジタリアン食は減量を促進する可能性はあるが、その証拠ははまだ決定的ではない」とされます。
研究調査では、集団規模、人口統計学的特徴(性別および年齢)および体格指数(BMI)の特徴、介入の種類、追跡期間、および試験の質が記録されました。
被験者の体重の純変化を解析、サブグループの分析は、ベジタリアン食の種類、エネルギー制限の種類、研究集団、および追跡期間に基づいて実施されました。
その結果、全体として、ベジタリアン食グループに割り当てられた人は、非ベジタリアン食グループに割り当てられた人よりも有意に体重が減少しました。(加重平均差−2.02 kg)
サブグループ分析では、ヴィーガンの食事を摂取した被験者(-2.52 kg)と、程度は低いものの、ラクトオボベジタリアン(乳卵菜食主義者)の被験者(-1.48 kg)で有意な体重減少が認められました。
エネルギー制限を伴うベジタリアン食を摂取した被験者の研究では、エネルギー制限なしの被験者に比べて有意に大きな体重減少が明らかになりました。
ベジタリアン食は、非ベジタリアン食と比較して、体重減少に有意な効果がありました。
しかし、ベジタリアン食の体重コントロールへの効果をより詳細に調査するためには、さらに長期的な試験が必要なようです。
プラントベースの食事を摂るベジタリアン・ヴィーガンは、体重減少を促進させるため、痩せる効果はあるようです。
ただし、その証拠はまだ決定的ではないようですから、さらなる研究が続けられるようです。
2. 健康によい│がんリスク・死亡率の低下
【赤肉・加工肉はがんのリスクを高める可能性がある】
WHOの2015年の報告によると、赤肉・加工肉はがんのリスクを高める可能性があると認めています。
この発表は、WHOの外部組織であるIARC(国際ガン研究機関)の研究結果によるものです。
また、加工肉を1日に50g摂取することで、大腸がんのリスクが18%高まる点も明記されています。
(出典:WHO「Cancer: Carcinogenicity of the consumption of red meat and processed meat」)
詳しくは、「赤肉・加工肉摂取」とがんリスクの科学的根拠や、がんの原因となる理由などの分かる記事も参考にしてください。
ヴィーガンと健康|WHOも認める赤肉摂取とがんリスクの関係について解説
プラントベースダイエットは、肉や魚、動物性由来の食品を一切除外するわけではありませんが、プラントベース食品を基本とした食生活を奨励するものであるため、赤肉・加工肉によるがんのリスクを減らせる可能性があります。
また、プラントベース食品として、野菜と果物を多く摂ることで、死亡率が低下するという研究結果もあります。
【野菜と果物を多く摂ることで死亡率が低下】
イギリスの医学誌であるBMJ(British Medical Journal)に掲載された論文によると、果物や野菜の摂取量が多いほど全死因死亡リスクが低下し、特に心血管死が有意に抑制されることが分かりました。
疾病予防や健康的な食生活として、野菜と果物を多く摂取する事は以前から推奨されていますが、今回のように摂取量に基づいて検証したメタ解析はこれまで行われていなかったようです。
今回の結果から、身体の健康のために、プラントベースの野菜と果物の摂取量を増やすということは、根拠があることだと分かりました。
詳しくは、「野菜・果物を多く摂るほど死亡率低下!」の記事を参考にしてください。
野菜・果物を多く摂るほど死亡率低下!プラントベースで身体だけでなく心の健康にも良い生活を
3. お肌の悩みを改善する可能性がある
【プラントベースの食品はニキビを改善できる可能性がある】
2017年に分子科学の国際ジャーナルに発表された、カリフォルニア大学の研究では、「プラントベースの食品とサプリメント、特に繊維とポリフェノールが豊富なものは、ニキビ(尋常性痤瘡(じんじょうせいざそ))に自然で低リスクの介入を提供できる可能性がある」という結論に達しました。
ニキビは多因子性疾患ではありますが、食事療法によっても治療されてきています。
これらのプラントベースの食品が主にマイクロバイオーム(ヒトの体に共生する微生物である、細菌・真菌・ウイルスなどの総体のこと)に影響を与えるのか、ヒトに直接影響を与えるのかは不明です。
プラントベースの食品や香辛料の多くは、ニキビの発症における複数の因子に影響を与える可能性があることに注意することが重要であり、ターゲットを絞った評価がなければ、どのメカニズムが最も臨床的に関連していたかを述べることは困難です。
特定のプラントベース食品の特定の効果に加えて、植物性物質が多く、単純炭水化物が少ない食事は、様々なメカニズムを通じて、ニキビの有意な改善をもたらす可能性はあります。
ニキビは全身的な問題、例えばインスリン抵抗性、炎症、腸内環境異常、栄養不良などが生じていることを示唆することもあります。
プラントベースの食品およびサプリメント、特に繊維およびポリフェノールが豊富なものは、ニキビ改善の可能性が望めます。
【プラントベースの食事が皮膚の老化を防ぐのに役立つ可能性がある】
2020年5月にJournal of Clinical and Aesthetic Dermatologyに発表された研究では、「プラントベースの食事が、皮膚の老化を防ぐのに役立つ可能性がある」ことを指摘しています。
「ホールフードプラントベース(精製や加工されていないプラントベース食品を摂る)の食事は、テロメア(染色体の端にあり細胞分裂のたびに短くなるため、老化とともに縮むと考えられている)を長くすることが実証されているだけでなく、DNAの老化プロセスを逆転させると記されています。
しかし、問題が食物アレルギー・ホルモンの不均衡、または不十分なスキンケアに起因する場合は、簡単に改善できるわけではありません。
(出典:livekindly「What Happens to Your Skin When You Go Vegan?」)
【乳製品とニキビの関係】
乳製品とニキビの関係についての研究は限られています。
現在のところ、乳製品が直接ニキビを引き起こすことを示唆する証拠はありませんが、それに影響を与えたり、悪化させたりする可能性はあるようです。
2018年のデンマークのコペンハーゲン大学 基礎代謝研究では、78,529人の子供、青年、および若年成人の乳製品摂取量とニキビの関係調査が行われました。
具体的には、ニキビと乳製品の食事摂取量との関連性を探りました。
- 牛乳、ヨーグルト、チーズを含むさまざまな種類の乳製品
- 全脂、低脂肪、スキム、全乳などの乳製品のサブグループ
- 乳製品の量と頻度
以上から、あらゆる種類の乳製品を摂取することは、7〜30歳の人たちのニキビの可能性が高くなることを発見しました。
ニキビは、低脂肪と脱脂乳を摂取した人により多く発生する可能性が高く、これは、人々が全脂肪や全乳よりも、低脂肪や脱脂乳を多く消費することが多いためかもしれないようです。
また、牛乳を1週間に2〜6杯以下を飲む人よりも、毎日1杯以上飲む人の方がニキビの出来る可能性が高いことも分かりました。
ただし、この研究では、乳製品が直接ニキビの原因になるのか否か、食事から乳製品を排除することでニキビを防ぐことが可能かを証明することはできなかったようです。
(出典:Medical News Today「Dairy and acne: What is the relationship?」)
以上の研究結果から、プラントベースの食品を摂ることや牛乳を見直すことで、お肌の悩みを改善する可能性があることが分かりました。
しかし、明確な証拠はないようですから、プラントベースダイエットに切り替えることで、お肌の改善が必ず出来ると考えるのはまだ難しいかもしれません。
「プラントベースダイエットのメリット」に関する記事も参考にしてください。