コロナ禍において、ライフスタイルが大きく変化し、これまでの生活の見直しとともに、社会的認知の上がっている「SDGs」への共感もあり、世界において、ヴィーガンへの肯定感が高まっているようです。
そんな中、最近のイギリスBBCニュースに、「コロナの影響で、私たちをよりエシカルな消費者にしている」という、興味深い記事もありました。
また、イギリスでは、コロナ発生以来、ヴィーガン食はより魅力的なものとなっているようです。
そこで今回は、コロナの影響で世界中でエシカルへの意識が向上し、ヴィーガンも増加している実態とその理由をご紹介します。
Contents
コロナの影響により世界中でエシカルへの意識が向上
冒頭でもお伝えした通り、最近のイギリスBBCニュースに、「コロナウイルスは、私たちをよりエシカルな消費者にしたか?」という興味深い記事がありますので、ご紹介します。
「キンバリー・バードさんは、コロナウイルスのパンデミックが、彼女をよりエシカルで環境に配慮した消費者に変えたと言います。
そして、それは、彼女1人ではありません。
『今年は、私の意識を大変加熱的なものにしました。』と語るのは、イングランド南西部の32歳の女性。
『私は自分が使用している製品を、より環境に優しい代替品にし、できる限りの物を再利用し、必要としないものは寄付するか、または必要な人にあげるようにします。』と彼女は言います。
コロナとその結果としてのロックダウンにより、私たちの多くは、仕事と経済的不安を増大させており、買い物をするときは、エシカル、および環境的懸念への考えは、取り払われたと思うかもしれません。
しかし、多くの報告や研究によると、実際の事実は逆であり、コロナは、より良い、より健康的な世界を創ることへ、私たちの心が集中するようにしています。」
意外な事実ではないでしょうか?
それでは、具体的な変化を次に見てみましょう。
コロナの影響でサスティナビリティ・エシカルへの関心が高まっている!?
「経営コンサルタント会社Accentureによる2020年のグローバル調査では、消費者は『劇的に進化した』と述べており、パンデミックが始まって以来、60%がより環境に優しく、サスティナビリティ(持続可能性)な、またはエシカルな消費を行っていると報告しています。
また、その割合の10分の9が、そうし続ける可能性が高いと述べたと付け加えました。
一方、マーケットリサーチグループKantarの調査によると、サスティナビリティ(持続可能性)への消費者の関心は、コロナ発生前より増しています。
Ipsos Moriの世論調査によると、世界の回答者の65%が、『コロナウイルス後の景気回復において、気候変動を優先することが重要である。』と述べています。
私たちは、エシカル、およびサスティナビリティな消費者革命に留まるのでしょうか?
『消費がコロナ以前とは大きく異なっていることは明らかです。』とAccentureの消費財およびサービスのグローバルリーダーであるオリバー・ライト氏は述べています。
『これは、予期せぬ出来事であり、人々は何を買うか、どのように過ごすか、サスティナビリティという世界的な問題とのバランスをもっと考えさせられています。』」
コロナの影響により、私たちは多くの事を考えさせられましたが、特にエシカル、およびサスティナビリティへの関心は高まり、今後もこの動きが継続することを感じさせられますね。
エシカル、およびサスティナビリティに関する記事も参考にしてください。
コロナの影響でオーガニックへの関心も増加!
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アシュリー・トライナー氏は、2020年に消費者の行動がどれだけ変化したかを直接見てきました。
彼女はニューヨークを拠点とするFarmbox Directの創設者であり、2014年から米国本土の家庭にオーガニックの果物と野菜を届けています。
彼女は昨年、同社の売上高が2019年の30倍以上に急増したと述べています。
『一晩で、会社は通常数年以上かかる成長に対応するために運用要素をシフトする必要があり、そのためのマーケティング費用は数百万ドルでした。』とトライナー氏は言います。
オーガニック農業のメリットに疑問を示す人もいますが、一般的にオーガニックを購入する人は増えています。
全体として、米国のオーガニック製品市場では、昨年の売上高が9.5%増加して2,520億ドル(1,860億ポンド)になると予測されていました。
英国でのSoil Associationのデータによると、売上高はまったく同じ割合で増加し、10年ぶりの高値である26億ポンドになりました。
オーガニックに関する記事も参考にしてください。
コロナの影響で地元や中小企業から買い物をする人が増えている!
『コロナは、私たちの食料と農業システムに焦点を当て、食料生産システムの脆弱性と柔軟性のないサプライチェーンを明らかにしました。』と、Soil Associationの事業開発ディレクターであるクレア・マクダーモット氏は述べています。
大西洋の両側の報告によると、コロナ発生以来、サプライチェーンの長さを短縮することで、食品やその他の製品の配送による環境への影響を減らすことができ、地元や中小企業からの買い物を選択する人が増えています。
グラスゴー近郊の50歳女性、ノリーナ・ミーチャンさんはその1人です。
昨年は、コロナのため地元で買い物を始める特別な理由がありましたが、今後もそれを維持するつもりだと彼女は言います。
イギリスの最初のロックダウンの開始時、彼女は帝王切開から回復時期であり、店に車で行くことができませんでした。
それを解決させたのが、地元のFacebookマーケットプレイスのページでした。
『地元の業者から新鮮な果物や野菜の宅配を受け、近くの肉屋を利用しています。』と彼女は言います。
『また、地元のホテルが持ち帰りなどでロックダウンに適応しなければならない時、すぐに調理できる持ち帰りをいくつか購入しました。
そうすることが、事業主とその家族、そしてスタッフを支援することに繋がることを私は知っています。』」
地元で買い物をする人が増え、地元の食材を購入するようになれば、地域の活性化にも繋がり、エシカル、およびサスティナビリティな消費となりますね。
コロナの影響でヴィーガンフードの売り上げが急増!
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「報告によると、昨年のロックダウン中にヴィーガンフードの売り上げが急増したことも示されています。
米国では、Plant Based Food Associationが、昨年の最初のロックダウン中にヴィーガン製品の売上高が90%増加したと述べました。
一方、イギリスの食品ウェブサイトThe Vegas Kindによると、昨年の売り上げは3倍になりました。
※「ヴィーガン」、そして「ヴィーガンの増加」に関しては、後程詳しくご紹介します。
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現在、食品業界に適用されているエシカル懸念の高まりは、衣料品にも反映されているようです。
イギリスの子供服会社Frugiは、オーガニックコットンと再生プラスチックのみで衣料品を製造しており、昨年はオンライン注文に牽引されて売上高が60%増加したと述べています。
「エシカルファッション」・「ヴィーガンアパレル」に関する記事も参考にしてください。
- エシカルファッションとは?皆に知って欲しいファッションの裏側
- イギリスのヴィーガンアパレルブランド「Will’s Vegan」とは?注目のアイテムも一挙紹介
- カナダのヴィーガンアパレルブランド「MATT&NAT」とは?注目のアイテム10選ご紹介
コロナの影響で環境問題に対する人々の意識が高まった?
『コロナは環境問題に対する人々の意識を高めました。』と、以前大手スーパーであるテスコのファッションブランドを作成したジュリア・レイノルズ氏は述べています。
『ロックダウン中、人々は家族と過ごす時間や、屋外で過ごす時間が増え、生活の中でシンプルなことを楽しむ時間が増えました。
航空交通や車による騒音が減少し、鳥のさえずりが聞こえるのは心に響きます。
この経験が、エシカルな運動をエスカレートさせたと思います。』
しかし、このエシカル、および、サスティナビリティへの高まりは、本当に留まるのでしょうか?
Kantarの カリーヌ・トリンケテル氏は、そう信じています。
『過去の不況の間、サスティナビリティ(持続可能性)を優先する人々の減少が見られました。』と彼女は言います。
『今回は違って見えます。 サスティナビリティ(持続可能性)に関する人々の見方は強化され、さらに加速しています。
私たちは転換点にあり、世界中で、人々は変化への欲求を表しています。』
記事の最初に登場した 、キンバリー・バードさんもこれに同意します。
『小さな変化は、はるかに大きな変化になる可能性があります。
誰もが1つの小さな変化を起こせば、それは何百万もの変化になるでしょう。』」
(出典:BBCニュース「Has coronavirus made us more ethical consumers?」)
私たち1人ひとりがエシカルへの意識を向上させることで、世界が変わることは可能だと思えるポジティブな考えを持つことも大切ですね。
先程、コロナの影響で「ヴィーガンフードの売り上げが急増」した事はご紹介しましたが、ヴィーガン自体も増えているのでしょうか?
その点に関する記事をご紹介する前に、ヴィーガンについても簡単にご説明します。
コロナの影響でヴィーガンが増加!?
ヴィーガンとは?
ヴィーガンとは、動物性の食品を一切摂取しない、「完全菜食主義」のことです。
この、「ヴィーガン」という用語は、1944年にイギリスのヴィーガン協会(The Vegan Society)が創設された際に命名されました。
ヴィーガンの定義は以下のようになっています。
「ヴィーガンとは、食物や衣類、またはその他の目的のために動物を虐げるあらゆる形態を、可能な限り、実行可能な範囲で排除しようとする哲学および生き方です。
ひいては、動物や人間、環境の利益のために、動物を含まない代替品の開発と使用を促進します。
食事の用語では、それは全体的または部分的に動物に由来するすべての製品を省く慣行を意味します。」
(引用元:vegansociety「Definition of veganism」)
完全菜食主義が目的のヴィーガンもいますが、上記の定義から、その根底には、環境保護・動物愛護の思想があることが分かります。
それでは、「コロナの影響でヴィーガンが増加したこと」が分かる記事を次にご紹介します。
コロナの影響でヴィーガンが増加!?その真相は
「ヴィーガン食は、コロナ発生以来、消費者にとってより魅力的なものとなり、特にイギリス人の若いミレニアル世代(21-30歳)の4分の1(25%)にはその傾向があると、大手市場調査会社Mintelの新しい調査で明らかになりました。
この新しい調査によると、若いイギリス人のミレニアル世代(21〜30歳)の4分の1(25%)が、ヴィーガン食に魅力を抱いているようです。
また、この傾向はミレニアル世代だけではなく、パンデミックの開始以来、10人に1人(12%)、ロンドン市民のほぼ4分の1(22%)に上昇し、ヴィーガンがより魅力的であることを証明しています。
調査では、イギリス人の約半分(51%)が植物・植物成分(例えばハーブ、スパイス)に薬効(すなわち、病気の治療)があると信じており、植物の治癒力に強い信念があることも示しています。
また、イギリス人の4分の1が、コロナ発生以来、果物や野菜をより多く食べるようになったと答えており、Five a dayの優先順位も高くなっています。
※Five a day:健康増進のために1日に5種類の果物や野菜を摂ろうという標語
特に柑橘類に注目してみると、イギリス人の3分の2(66%)がビタミンCの摂取が免疫システムのサポートに役立つと考えています。
全体では、5人に2人(37%)のイギリス人が、コロナの発生以来、免疫系をサポートする栄養素を食事に取り入れるようになったと答えています。」
コロナの影響でヴィーガンが増えた理由とは
「Mintelのアレックス・ベケット氏は、次のように述べています。
『人々は今、世界がより良い方向に変わることを望んでおり、思いやりを示す方法を模索しています。
積極的な変化をもたらす方法を知りたいと悩んでいる消費者にとって、動物性タンパク質をカットすることは、気候危機に取り組み、自然への思いやりを示し、自分自身の栄養摂取量を増やすための方法と見なされるかもしれません。
コロナが発生する前から、世界の市場では植物性の飲食物への関心が高まっていましたが、パンデミックがこの傾向を加速させているのかもしれません。
例えば、中国では、KFCやピザハットの新しい植物ベース肉のオプションの売上が急増しています。』
「米KFC」・「植物性代替肉」の記事も参考にしてください。
また、調査によると、全国の半数以上(55%)が、コロナ発生後、以前よりもゼロから調理することをし、料理とベーキングに長期的な関心を寄せています。
コロナ発生前、若い人たちは一般的に、調理に時間が掛からない、便利な食品を選んでいました。
しかし、ロックダウンの下では、家にいる時間が増え、レストランやカフェが営業していないため、一から料理をすることを始めた人も増えたようです。」
(出典:Mintel:「A quarter of young Millennials say COVID-19 has made a vegan diet more appealing」
一見、コロナとヴィーガンには何の関係性もないようで、「コロナで何故ヴィーガンが増えるの?」と思われた方も、その理由の1つがお分かり頂けたのではないでしょうか。
コロナにより、世界中でエシカルへの意識が向上し、それが、ヴィーガンという生き方に興味の範囲を広げているようですね。
まとめ
コロナによる社会構造や価値観の変化により、世界中でエシカルへの意識が向上し、その流れで、ヴィーガンも急増しているようです。
コロナの影響により、大気汚染が緩和され、また、ステイ・ホームは世界中の人々に、家族と一緒に過ごす時間の大切さ、これまでの働き方、そして、地球規模で起きている問題について考える機会となりました。
コロナをネガティブな事だけに終わらせないためにも、今こそエシカルな行動を選択し、コロナ後も一過性のトレンドにならないよう、持続していくことが大切ではないでしょうか。
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