今さら聞けない「SDGs」とは|ヴィーガン必見のエシカルなトレンドを解説
国連の持続可能な開発目標であるSDGsについて徹底解説!ヴィーガンはSDGsにどう貢献している?その深い関係についても詳しくご紹介します。ヴィーガンでなくとも、普段の生活の中でSDGsに取り組めることは多くあります。個人が意識して取り組み、地球温暖化問題や紛争などの解決を目指し、明るい未来を作り上げていきませんか。
テレビのニュース、また、SDGsのシンポジウムやイベント告知など、街中で目にする機会も増えていますが、「SDGsって何なの?」と、その内容を知らない方も多いのではないでしょうか。
実は、この「SDGs」は、ヴィーガンとの関りも深く、ヴィーガンを実践する事で貢献できるエシカルなトレンドでもあるのです。
そこで今回は、SDGsを解説し、ヴィーガンとの関係についても詳しくご紹介します。
SDGsとは?
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SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略称であり、「持続可能な開発目標」と訳されます。
また、「エス・ディー・ジーズ」と読まれます。
SDGsは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた、国際社会共通の目標です。
このサミットでは、長期的な開発の指針として、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、この文書の中核を成す「持続可能な開発目標」がSDGsとなります。
それでは、SDGsに掲げられている「持続可能な開発」とは、どのような開発なのでしょうか?
国際連合広報センターによると、「持続可能な開発」が下記のように定義されています。
「 将来の世代がそのニーズを満たせる能力を損なうことなしに、現在のニーズを満たす開発」
つまり、現在の人々の生活によって、未来における地球環境や人々が生活を営むが社会、そして、経済を破壊すような開発をしてはならないという事になります。
持続可能な開発を実現するには、地球上に住む全ての人々が協力し、この目標に向き合い、持続的に行動していくことがとても大切です。
また、2030年までに目標を達成するには、社会・経済・環境の3つの核となる要素を重要視していく必要もあります。
SDGsは、17のグローバル目標、そして、それぞれの目標に設定された、169の具体的なターゲットから構成されます。
それでは、「持続可能な開発目標」とは具体的にどのようなものなのか、17のグローバル目標を以下にご紹介します。
17のSDGs(持続可能な開発目標)
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①貧困をなくそう
②飢餓をゼロに
③すべての人に健康と福祉を
④質の高い教育をみんなに
⑤ジェンダー平等を実現しよう
⑥安全な水とトイレを世界中に
⑦エネルギーをみんなに そしてクリーンに
⑧働きがいも経済成長も
⑨産業と技術革新の基盤をつくろう
⑩人や国の不平等をなくそう
⑪住み続けられるまちづくりを
⑫つくる責任 つかう責任
⑬気候変動に具体的な対策を
⑭海の豊かさを守ろう
⑮陸の豊かさも守ろう
⑯平和と公正をすべての人に
⑰パートナーシップで目標を達成しよう
多くの目標を見ると、一見大変そうに見え、「個人で何が出来るの?」と思われるかもしれませんが、SDGsを意識して生活することにより、目標実現への貢献となり、生活の質も向上することだと思います。
また、もしあなたが「ヴィーガン」でしたら、既にSDGsの目標のいくつかに貢献しています!
そこで、ヴィーガンであることで、SDGsのどの目標に貢献しているのかを解説しますが、その前に、ヴィーガンについても簡単にご紹介します。
ヴィーガンとは?
ヴィーガンとは、動物性の食品を一切摂取しない、「完全菜食主義」のことです。
この、「ヴィーガン」という用語は、1944年にイギリスのヴィーガン協会(The Vegan Society)が創設された際に命名されました。
ヴィーガンの定義は以下のようになっています。
「ヴィーガンとは、食物や衣類、またはその他の目的のために動物を虐げるあらゆる形態を、可能な限り、実行可能な範囲で排除しようとする哲学および生き方です。
ひいては、動物や人間、環境の利益のために、動物を含まない代替品の開発と使用を促進します。
食事の用語では、それは全体的または部分的に動物に由来するすべての製品を省く慣行を意味します。」
(引用元:vegansociety「Definition of veganism」)
完全菜食主義が目的のヴィーガンもいますが、上記の定義から、その根底には、環境保護・動物愛護の思想があることが分かります。
しかし、ヴィーガンになる動機は他にもありますので、上記を含めて以下にご紹介します。
ヴィーガンになる理由
①動物愛護のため
ヴィーガンの定義にもありますが、動物愛護を動機としてヴィーガンになった方は多いとされます。
食はもちろんですが、ファッションや化粧品などあらゆる分野において、「動物愛護」を優先し、動物性となる毛皮やシルク、革製品、また動物性由来の日用品などは避けます。
また、動物実験を経て開発された、化粧品や石鹸、シャンプーなどの日用品も、極力避ける傾向にあります。
「動物性素材不使用」のヴィーガン製品に関する記事も参考にしてください。
②環境のため
畜産業・酪農業がもたらす環境問題を理由に、ヴィーガンになる人も増えています。
肉や乳製品産業がもたらすとされる、温室効果ガスの排出、森林伐採、水消費量などが、より環境に悪いとされており、肉や乳製品を避けることを重要視します。
また、ヴィーガンは、パームオイルを避ける場合もあります。
パームオイル自体は植物性食品であり問題ありませんが、製造・生産過程で間接的に環境や動物に悪影響を与えるという点で問題視されており、ヴィーガンの生き方へ反するという見方があるのです。
詳しくは、「ヴィーガンがパームオイルを避ける」の記事を参考にしてください。
さらに、近年においては、地球温暖化問題に対する運動も活発化し、このような環境問題を動機に、ヴィーガンを実践する人も増えています。
③健康のため
特に、欧米諸国では、糖尿病(2型糖尿病)や肥満人口が増加しており、これらの問題と動物性食品の摂取が深く関係している可能性から、ヴィーガンへ移行する人が増えています。
ヴィーガンが欧米諸国に多いのには、この影響も大きいと言えるでしょう。
日本においても食が西洋化し、肉食中心な食生活を送る中で、健康への懸念が増し、ヴィーガンを実践している人々が増えているようです。
④エシカル(倫理的)な考えから
ヴィーガンになることを選択する理由として、エシカルな考えによる可能性もあります。
お肉を食べないことを選択するエシカル(倫理的)な理由は、以下の通りです。
- 食肉処理に反対する:食物のために動物の命を終わらせたくない
- 非人道的な工場慣行:非人道的な条件において、家畜を飼育する工場畜産を支援することを拒否する
- 劣悪な労働条件 :労働者にとって劣悪な条件の工場畜産を支援することを拒否する
- 人道上の理由 :世界に飢餓が非常に多い場合、動物飼料用の穀物を生産することを土地と資源の不当な使用と考えている
お肉を食事に取り入れることは、上記のような倫理的懸念へ繫がるという考えがあるようです。
「エシカル」に関しての記事も参考にしてくださいね。
以上のように、ヴィーガニズムは、動物愛護のひとつから、環境問題や個人の健康などに関する幅広い懸念に移行するにつれて、かつては少数派だったヴィーガンを実践する人が、ますます増えています。
それでは、ヴィーガンについてお分かり頂けたところで、SDGsが掲げる目標の中からヴィーガンとの関りのあるものを挙げて次にご紹介します。
SDGsとヴィーガンとの関係
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現在、世界中の多くの人々が貧困や飢餓、気候変動の影響を受け苦しい境遇に置かれています。
SDGsは、持続可能な開発を確保するために貧困を削減し、環境問題を緩和するという目標を掲げていますが、ヴィーガンであることは、これらの目標を達成する上で重要な役割を果たすことができます。
SDGsが掲げる目標に、ヴィーガンに関する項目はありませんが、「ヴィーガンになることで、目標達成に貢献出来る」という目標はいくつかあります。
そこで、SDGsが掲げる目標とヴィーガンとの関りがあるものをご紹介します。
①貧困をなくそう
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「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」